※写真右は「なんでも鑑定団」・北原照久氏、左は水越氏。
皆さまは「動画マーケティング」と聞いて何を思い浮かべるだろうか?実は、○○マーケティングという言葉はたくさんある。「ソーシャル・マーケティング」「グリーン・マーケティング」「リレーションシップ・マーケティング」「エリア・マーケティング」「口コミ・マーケティング」など、数多くのマーケティングが存在する。
動画マーケティングとは、簡単に説明すれば「動画を使ったマーケティング」のことである。動画にはいくつかの種類があるが、Ustream(ユーストリーム)を活用したマーケティングを紹介してみたい。Ustreamは2007年3月に設立された動画共有サービスである。視聴者とのチャットや視聴者からの投票機能などがある。
今回は、動画チャンネル「メディカツ」を運営する、水越浩幸氏(以下、水越)に動画マーケティングの効果的な運用方法について聞いた。
●動画マーケティングは副次的効果が高い
まず、水越が運用しているメディカツは2010年5月、インターネットテレビ「自分TV(R)」として配信を開始した。番組の配信回数は、これまでに300回を数える。主な出演者は、「なんでも鑑定団」でおなじみのおもちゃの鑑定士・北原照久、歌手の岩崎宏美、シンガーソングライターの杉真理、元巨人の篠塚和典、漫画家のかわぐちかいじ(順不同、敬称略)などの著名人も多数ゲスト出演している。水越は、動画マーケティングの効果について次のように答えている。
水越 「番組は毎週1回配信するのですが、数ヶ月経った頃、周囲の反応に変化が出てきました。参加するセミナーや交流会で出会う人が、笑顔でこう言うのです。「いやー、初めて会った気がしません!」。初めて会ったのに、初めてのような気がしない。初めて会ったのに、まるで再会したような感覚を覚えました。」
初めて会ったのに再会するとは、言い得て妙だが、Ustreamの特性にあるようだ。Ustreamは視聴者にとってはパソコンやスマホで見るインターネットテレビである。その場で投稿したコメントを読み上げ相互コミュニケーションを取れるなどの効果によって、お互いの距離が縮まる。さらに番組の副次的効果について、水越は次のように答えている。
水越 「私や一緒に出演していたゲストの方に、番組配信中や終了直後、問い合わせや仕事のオファーが次々と来るようになりました。また、同じ頃に、出版社からメールをいただきました。トントン拍子に話が進み、翌年の2011年5月に『ビジネスで好印象を与えるメールの7つの決まりごと』を出版することができました。動画は、「声」「表情」「話し方」「身ぶり」「しぐさ」「話題」などから、その人の雰囲気をつかむことができます。編集して加工していないライブで伝えるメディアなので、より信頼感が高まるのです。実は、出版社は事前に私のことについて動画を通じて確認していたのです。」
●ローマは一日にして成らず
動画は配信が止まったり、うまくつながらないことがある。特にモバイルルーターは種類が豊富だが、どの機種がつながるとはいえないのが実情のようである。トラブル対処法の要点があるそうだ。
水越 「インターネットは、どこでもつながるわけではないので、配信したい場所でつながるかどうかを事前に確認しておく必要性があります。また、帯域制限の関係で時間帯によっては配信できなくなることがありますので調べておきましょう。ネット環境が不安定な場合は、途中で落ちる可能性があることを事前に視聴者に伝えておく必要があります。」
また、Ustreamは流しているだけでは視聴者は簡単には増えないようである。視聴者数を増やすためにはいくつかの手順が必要とのことだ。
水越 「配信ボタンを押して配信しただけで視聴者が勝手に集まってくるものではありません。まずは、配信するコンテンツや番組の存在について知ってもらう必要性があります。そのため、ブログやメルマガ、FacebookやTwitterなどのSNSを積極的に活用して事前に告知します。1週間前、3日前、当日の朝など、こまめに告知していきます。投稿には、番組名、配信日時、URL、概要を入れてください。配信中に投稿されるコメントがSNSに拡散され、多くの方の目に触れるので積極的にコメントするように呼びかけてください。」
動画配信は決して難しいものではないが即効性を求めないことも大切だ。「ローマは一日にして成らず」ということわざがある通り、ローマ帝国も、築くまでには約700年の歳月を費やした歴史が存在する。まずは、比較的長いスパンでじっくりと継続する姿勢が必要ではないだろうか。
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コラムニスト
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