無党派の若者はブルー・オーシャン


世代別の得票率(朝日新聞調べ)

今回の参院選で自民党の得票率は若年層ほど高く、18~9歳では40%に達した。これは「若者が保守化したためだ」といわれているが、本当だろうか。この世代の投票率は45.45%と、全体の投票率54.7%を大きく下回った。これに得票率をかけた自民党の絶対得票率は18%で、全世代の19%とほとんど変わらない。

自民党の国政選挙の絶対得票率は、ここ10年ほど17~20%で、世代によってもほとんど変わらない。つまり民進党は自民党に負けたのではなく、棄権した無党派層に負けたのだ。これはもっと長期の時系列データでみても明らかだ。


投票率の推移(総務省調べ)

これは総選挙の投票率だが、最近では平成17年(2005)と21年(2009)が飛び抜けて高く、24年(2012)には10%ポイントも下がった。2005年は郵政選挙、2009年は政権交代の年だ。それまで投票に行かなかった無党派層が、2005年には小泉改革に期待し、2009年には民主党政権に期待したのだが、その結果に失望してもとに戻ったのだ。

もう一つ2000年代に一貫しているのは、政党支持率でみると無党派層がほぼ半数を占める圧倒的な「第一党」だということだ。これは先進国では珍しい現象で、ここに自民党も民進党もつかめないブルー・オーシャンがある。これは創価学会や連合などの組織票をはるかに上回り、そのゆくえが選挙結果を左右する。

「シルバー民主主義」といわれる高齢者は投票率の高いレッド・オーシャンであり、これから新たな市場が開拓できる余地はない。それよりもブルー・オーシャンの若年層の心をとらえた政党が、新たな政権をになうことができる。

アゴラの夏の合宿で細野豪志氏と議論するのは民進党を応援するためではなく、野党が変わらないと選択肢がなくなり、日本の民主主義が死んでしまうからだ。多くのみなさんの参加をお待ちしています。