米新規失業保険申請件数、4週平均は26万件乗せ

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米新規失業保険申請件数と、米6月製造業受注をおさらいしていきます。

米新規失業保険申請件数は8月6日週に26.6万件と、市場予想の26.5万件とほぼ一致した。前週の26.7万件(26.6万件から修正)とも、概して変わらず。米労働省は特殊要因を指摘しなかったが、30万件割れは75週連続で1973年以来の最長とのコメントを寄せた。4週平均は26万2750件と前週の25万9750件(修正値)から増加し、約1ヵ月ぶりに26万件に乗せている。1973年以来で最低を示した4月23日週の25万6000件が遠のいた。

7月30日週までの継続受給者数は215.6万人と、前週の214.1万人(修正値)から増加した。被保険者に占める失業者の割合は3週連続で1.6%となり、過去最低の1.5%を上回った水準を保つ。

7月23日週の州別動向は、以下の通り。

(増加が顕著だった州)
・カリフォルニア 487人増
・カンザス 405人増
・インディアナ 315人増
・バージニア 292人増
・ワシントン 285人増

(減少が顕著だった州)
・ミシガン 1864人減(前週は2598人増)
→卸売が減少をけん引
・イリノイ 1458人減(前週は480人増)
・オレゴン 1084人減(前週の2713人減に続き、2週連続で減少)
・ジョージア 1021人減(前週は4604人減
→製造業、事務/サポート/廃棄処理が減少をけん引
・アラバマ 908人減(前週の2513人減に続き、2週連続で減少)

――米新規失業保険申請件数は低水準を維持する半面、こんな統計は見逃せません。 非労働力人口に占める就職希望者の割合です。

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(出所:My Big Apple NY)

米国で労働力とは、就業中あるいは求職中の失業者を含みます。ちなみにニューヨーク州での失業保険受給者は、1週間以内に求職活動を行わなければなりません。つまりこのチャートに反映された人々は、働く意思がありながら何らかの理由で求職活動を行っていないのです。

こちらの就職希望者は、厳密に言えば「いま仕事が欲しい」人々です。従って病気など身体的、精神的な理由で働けない方々ではない可能性を残します。あるいは、一旦リタイアしてしまった高齢者も含んでいる公算が大きい。いずれにしても景気後退以前の数字とほど遠く、なおかつ減少にブレーキが掛かっている状況では、米新規失業保険申請件数が低水準だからといって喜んでばかりはいられません。

▽MBA住宅ローン申請件数指数、金利低下を手掛かりに4週ぶりに上昇

全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、8月5日週に前週比7.1%上昇し564.0だった。前週の3.5%の低下から転じ、4週ぶりに上昇している。借換が9.6%も上昇し2538.3と、4週ぶりに反発。新規も2.6%上昇の222.6と、マイナス基調を3週で止めた。米4~6月期国内総生産(GDP)速報値が予想外に伸び悩んだ影響で金利が低下し、需要を喚起したとみられる。MBA住宅ローン申請件数指数の前年比(季節調整前)は40.8上昇。新規が12.9%、借換も65.4%とそれぞれ上昇した。

30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は前週の3.67%から3.65%へ低下した。1年前の4.13%以下にとどまり、過去3年間で最低近くを保つ。15年固定金利型(平均)は前週の2.93%で変わらず。FHAのローン金利も、前週の3.54%から3.52%へ低下した。

MBA住宅ローン申請件数指数、低金利を支えとし連休明けに大幅反発。

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(作成:My Big Apple NY)

申請全体に占める借換の割合(件数ベース)は62.4%と、前週の60.7%から上昇した。2009年6月以来の低水準である2015年7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持。ただし2013年5月以来の高水準となった2015年1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。

――MBA住宅ローン申請件数指数は、金利低下を呼び水に反発したものの足元では米7月雇用統計を受けて金利に上昇圧力が掛かりやすくなっています。雇用環境を踏まえれば伸びしろが大きいように見えますが、金利上昇局面では素直に住宅ローン需要が後退する傾向があるだけに、来週も強い流れを維持できるかは疑問が残ります、

(カバー写真:astrid westvang/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年8月12日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。