女性のための恋愛工学として、前回は、結婚してくれそうな手頃な男性(L)と、不倫相手やなかなか結婚してくれないハイスペ男性(H)で、どれぐらいの年収格差があれば、未婚の母になったほうが得なのかを計算した。女性にとって、セックスしたり、つきあったりするより、結婚するほうがはるかに難易度が高いので、一般的に、Hの年収 >> Lの年収、という関係が成り立つ。
●サラリーマンと結婚するのと金持ちと不倫して子供を生むのとどちらが得なのか?
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52085633.html
●週刊金融日記 第222号 平凡な男と結婚するかハイスペ男の子供を身ごもるかのブレークイーブン年収格差
https://note.mu/kazu_fujisawa/n/n69b500a54795
ここでは、概ね、不倫相手や結婚してくれないハイスペ男性の年収が、潜在的な結婚相手の男性の年収の2倍を上回れば、未婚の母になったほうが得だという結論が導き出された。
これは女性にとって、極めて有用なガイドラインだが、あまりにもざっくりしすぎている。とても荒い近似だ。そこで、今回はもうすこし具体的な養育費を見積もるためのテーブルを提供したい。カジノのブラックジャックやポーカーでは、初心者はまずは、手札などの情報から、最適なプレイが何かを記した表を暗記することからはじめる。ブラックジャックなどの駆け引きが存在しないゲームでは、このテーブルの暗記こそがすべてである。より複雑なポーカーでも、まずはこうしたベーシック・ストラトジーを覚えることが重要である。恋愛も同じだ。結婚・恋愛というゲームで勝利するために、女性にこうした「ベーシック・ストラトジー」を提供することが本研究の目的である。
まずは、ベンチマークとして、以下の状況を仮定した。
(1) 女性の年収は300万円
(2) この女性が実力相応に結婚できる男性の年収は600万円
(3) まずは子供を1人作る
さて、この場合の婚姻費用(夫が法的に支払わなければいけない金額)は、月7万8000円であった。このベンチマーク(=年収600万円の男性の正妻)を、未婚の母として上回るための相手の男性の年収を割り出す。養育費は、相手の男性が結婚しているのか、養育している子供がいるのかどうかで変わってくるので、6通りに場合分けした。まずは、その計算結果である。
男(支払い義務者)の年収と月々の養育費
出所:金融日記恋愛工学研究所
このテーブルの読み方を説明しよう。まずは、相手の男性が結婚しているかどうかは、「妾」か「未」で表してある。妾が既婚者と不倫して子供を産んだ場合、未が独身男性の子を産み未婚の母となった場合を表している。男性が結婚していると、その男性は正妻を養う義務があるため、その分、愛人の子の取り分は減る。つまり、同じ年収であった場合、男性が結婚していない場合のほうが、自分がもらえる養育費はじゃっかん増える。
次に、相手の男性が養っている子供の数がカッコ内の最初の数字である。男性の基礎年収を、その男性が養っている子や女で分けるのだから、相手の男性に他の女の子がいると、その分だけ自分の子の取り分が減る。カッコ内の二番目の数字が、自分が産む子供の数である。この表では、1人の場合だけ考えてある。
具体的に、表の見方を説明しよう。相手の男性が既婚で、子供が1人いる場合は、妾(1,1)の列を見ればいい。たとえば、不倫相手の男性の年収が2000万円の場合、月々の養育費は16万円になる。ベンチマークの年収600万円の男性の正妻ポジションと比べたら、年収1100万円からペイすることになる。相手の男性が既婚者でも子供がいなかったら、年収800万円で、すでに養育費のほうが、年収600万円の男と結婚するより多くなる。
また、相手の男性が結婚してくれない独身男性の場合は、未(0,1)を見ればいい。この場合、年収700万円程度で、養育費が月約9万円になるので、十分に妊娠する価値があるだろう。
今週号のメルマガでは、さらに具体的で使える恋愛戦略を解説する予定である。
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編集部より:この記事は、藤沢数希氏のブログ「金融日記」 2016年8月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、「金融日記」をご覧ください。