民進党代表選を前に蓮舫氏に関してアゴラを中心に二重国籍疑惑が騒がれ始めている。
一応本人は否定をしたようだが、言っていることが矛盾だらけで信頼がおけず、かつ証拠も提示していない。それにもかかわらず民進党としても、また蓮舫議員としてもこの問題に関してはっきりとした説明をせずにうやむやにしてこのまま代表選になし崩し的に突入しようとしている。
民進党の中では保守派の議員として知られる長島昭久氏も「日本国籍取得したんだから、二重国籍に目くじらたてなくても別にいいじゃないか」というようなことを言っている。何かおかしい。この理屈が通るんなら例えば中国政府が13億人超の人口のうち数千万人を中国籍を残したまま日本に帰化させて日本をいとも簡単に乗っ取ることができる。とても民主党随一の安全保障の専門家の言う言葉とは思えない。
(追記:小田嶋氏の指摘にをうけ、非現実的なことを書いていたことに気づいたため削除いたします。併せて二重国籍に関する個人的意見をあわせて追記しますと、二重国籍を大っぴらに認めることは島嶼防衛の観点などから適切ではないと思っています。他方で二重国籍を全否定することもまた個々人のやむをえない家庭事情の存在や他方の国の制度などの要因を考えると非現実的とも考えており、「二重国籍については国として奨励しない」という現状の努力義務規定は適切だと考えています。)
それに蓮舫氏が台湾籍から離脱して日本国籍に一本化することは、100%自らの意思、自らの責任でできることなのだから、仮に蓮舫氏が未だ二重国籍だとしたら、100%本人の責任・選択によるものだ。庇うにも庇いようがない。蓮舫氏が一国民なら二重国籍を持っていようが「なんだかずるい人だな」と思う程度で全然かまわないが、仮にも最大野党の代表という日本の首相を目指す立場を競うのだから、日本国籍に一本化するのは当然の話だ。
だって日本国民の99%は日本国籍しか持っていないんだから。日本は移民の国でもなければEUのような文化的共同体に所属しているわけではない島国だ。この問題は国籍差別とか女性差別とか何にも関係なく「国民の代表を目指すなら私たちと同じ土俵に立ってくださいよ」というただそれだけの問題だ。
そもそも民進党は前身の民主党時代にアジア各国との距離感がおかしく、普天間基地問題を始め外交政策をこねくりまわしていたずらに混乱させて支持を落とした政党である。小沢一郎氏が無理やり天皇陛下の公務に習近平氏との会談をねじ込んだなんてこともあった。蓮舫氏と同じく代表選に出馬している前原氏にしても外国人献金問題が大きく問題視された。
その反省無くまた同じような問題を起こすのなら、民進党ももう終わりだろう。民進党は優秀な議員も多いし、せっかく民主党から看板を変えて生まれ変わろうとしているのだから、過去と向き合って正すべきことは正して生まれ変わる姿勢をちゃんと示してほしい。
ちなみに私は蓮舫議員があまり好きではありません。
ではでは今回はこの辺で。
編集部より:このブログは「宇佐美典也のblog」2016年9月5日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は民進党サイトより)。オリジナル原稿を読みたい方は宇佐美典也のblogをご覧ください。