民進党は蓮舫氏の経歴詐称を調査せよ

池田 信夫

蓮舫氏の「二重国籍」問題については、ようやく各社が報道し始めた。朝日新聞のように「蓮舫氏、台湾籍放棄手続き 二重国籍の指摘受け」といった見出しになっているが、いま台湾国籍を放棄したということは、これまで台湾籍が残っていたことを意味する。これまでの彼女の経歴についての話は、明らかに矛盾している。読売テレビの話を再録しよう。

辛坊治郎 週刊誌やネットで二重国籍で台湾籍をお持ちなんじゃないかっていう話があります、これについては?
蓮舫 私は生まれたときから日本人です。(台湾)籍抜いてます。
辛坊 いつですか?
蓮舫 高校3年の18歳で日本人を選びましたので

辛坊氏はおかしいと思わなかったのだろうか。「18歳で日本人を選んだ」のなら、「生まれたときから日本人」であるはずがない。この二つの発言は矛盾しているのだ。

きのうの記者会見では前者が正しいので、後者は経歴詐称である。「籍抜いてます」も間違いである疑いが強いが、生まれたときは台湾人だったことは明白だ。それは次の2004年の選挙公報で、本人も書いている。


ところが今年の参院選の選挙公報では「台湾籍から帰化」が抜けており、他のインタビューでも「私は日本人です」といっている。もちろん選挙公報に国籍を記載しないことは経歴詐称ではないが、最近はずっと「私は日本人」で押し通している。読売テレビで台湾籍のことを聞かれたので、つい昔の話をして、矛盾が露呈してしまったのだろう。

さらに重大なのは、この発言が民進党の代表選挙の期間中だということである。これには公選法は適用されず、選挙規則にも経歴詐称を禁じる規定はないが、公選法に準じて考えると、首相になる可能性のある民進党代表の候補者が「生まれたときから日本人」という経歴詐称をしたことは深刻だ。

蓮舫氏の話は二転三転しており、信用できない。民進党の選挙管理委員会はこの問題について調査し、彼女の経歴詐称について15日の投票日までに処分を出すべきだ。また参院選で経歴詐称がなかったかどうかについても、調査が必要だ。選挙で「生まれたときから日本人」と国籍を偽っていたとすれば、公選法違反で議員の資格を失う。

追記:蓮舫氏がようやくわれわれの疑問をほぼ認めた。ただし「未成年の場合には父か母、両親と(手続きを)行うとなっており、整合性がある」という答には疑問がある。台湾の国籍法第11条5項では「依前項規定喪失中華民國國籍者,其未成年子女,經內政部許可,隨同喪失中華民國國籍」と書かれており、父親(謝哲信)が彼女の国籍喪失を代行できるのは彼が台湾籍を喪失する場合に限られるが、父親は帰化していない。

追記2:菅官房長官が「一般論」と断りつつ「外国の国籍と日本の国籍を有する人は、22歳に達するまでにどちらかの国籍を選択する必要があり、選択しない場合は日本の国籍を失うことがある」とコメントした。彼はこういう危機管理には強いので、官邸も台湾政府から情報収集していると思われる。