二重国籍問題。自民党は、オールマイティの切り札を持っているのか

早川 忠孝

アゴラに私の記事が転載されることになった。

どういう記事が転載されるのかはまだ分からないが、私にとっては新しいステージに立ったような気分である。

ブロゴスでおなじみの方がおられたので、私はかねてからアゴラに注目していた。
自分から投稿しようと思ったことはないが、結構な方々がアゴラに出稿されているなとは思っていた。
あの音喜多さんの記事がアゴラに掲載されているということで最近特に親近感を抱いていたのだが、音喜多さんの記事もどこかで書かれた記事がアゴラに転載されるようになっていたのだろうと思っている。

何にしてもブロゴスだけでなく、アゴラでも私の記事が掲載されることがある、というのだから私にとってはビッグニュースである。

なかなか思うようには発信力が付かないな、と思っていたが、そういう私のブログを熱心に読んでおられた方がおられた、というのが私には嬉しい。

最近のアゴラで活発な論陣を張っておられるのが、池田信夫氏と八幡和夫氏である。
私から見てすべて正論だから、これに真正面から反論するのは難しい。

どうやっても弁護の余地がなさそうな人をそれなりに弁護するのがプロの仕事だということは分かっているのだが、蓮舫さんの二重国籍疑惑問題についてはうっかり口を出せそうにないな、と思ってきた。

何とか無事民進党の代表選が終わりますように、と祈っていたので、蓮舫さんが民進党の新代表に選出された時は、それなりにエールを送っておいたのだが、しかし、蓮舫さんの足元は弱い。

誰も問題にしないようであれば、本当は問題であっても大事には至らないで済むだろうぐらいに思っていたのだが、どうやら池田氏や八幡氏の追及は一向に止まないようだ。

さて、いつまで蓮舫さんは堪えられるだろうか。
いつまで持つだろうか、などということを考えている。

誰も問題にしなければそれでお終いの話なのだが、問題にする人がいる限りは、いつかははっきりと決着を付ける必要が出てくる。

これまでは、まず、そういうことにはならないだろうと思っていたが、蓮舫さんの陣営からスパッとした反論なり説明が返って来ていないようなので、これから蓮舫さんの弁護を引き受けられる方は大変だろうな、と思い始めているところである。

何が大変か。

二重国籍問題は蓮舫さんが正式に台湾籍の離脱手続きを取られたので、今は何の問題もない。

問題になりそうなのは、公職選挙法の経歴詐称疑惑の方である。
二重国籍の人が二重国籍であることを知りながら自分の経歴書等にその事実を記載していなかったことが経歴詐称の一種になるかならないか、という問題である。

蓮舫さんに日本国籍があることは間違いないが、公職の候補者として有権者に自分が二重国籍者だということを開示すべき義務があるのかないのか、ということである。

民進党の法律顧問がどなたか分からないが、この辺りのことはひょっとしたら郷原弁護士が解説してくれるのかな、と期待している。

多分、法務省も自民党も既にこのあたりの法律問題は十分に検討しているだろうと思っている。

今はどこからも何の声も聞こえてこないが、いざという時には出してくるのかしら、などとも思っている。出せば、オールマイティの切り札になるだろう。

そういう切り札を持っている人がいるのかいないのか、とんと見当が付かないが、実に不気味である。

国対関係の人は、こういう事情をすべて分かったうえで事を進めているのだと思う。

どうなるかは、私の立場では今のところ何とも言えない。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年9月26日の記事を転載させていただきました(タイトルは編集部で改稿、アイキャッチ画像は自民党公式サイトより)。転載を快諾いただいた早川氏に御礼申し上げます。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。