八幡さんや私を苦しまぎれに「自民党の手先」とか「レイシスト」とか非難する人がいるようだが、上の写真のようにアゴラ研究所は今年の夏の合宿に細野豪志氏(現・民進党代表代行)をまねいて、民進党(というか日本の民主主義)をいかに再建するか、田原さんと議論した。
そのときわれわれが細野氏にいったのは「憲法9条を守れとか安保法廃止などという話は、アジェンダ設定が誤っている。財政と社会保障の破綻からいかに日本を救うかが真の問題だ」ということだった。細野氏もわかったように見えたが、彼が代表選の告示の直後に蓮舫候補を支持したのには唖然とした。
私も北尾さんと同じく、「自身の国籍も、国籍の持つ意味も理解しないような人物が、堂々と自衛隊の最高指揮官である首相を目指し、周囲から疑問も異論も出ない民進党は、もはや常識の世界を超えてしまっている」という印象だ。
民進党が無政府主義をめざすのなら話はわかるが、そうでないのなら、北朝鮮の崩壊が迫っている今、国家や国籍をどう考えるかは外交や防衛のコアだ。蓮舫代表が退陣して民進党が二重国籍を認めるとともに入国管理を強化する「国籍法改正案」を出すなら、私は賛成してもいい。
ところが彼女は嘘に嘘を重ねて、いまだに国籍離脱の書類も出さない(出せない)で、「この問題は終わった」と開き直っている。これは検察のもっとも嫌う言葉だ。彼女の知能にはお似合いだが、彼女を「軽いみこし」としてかついだ執行部は何をしているのか。実質的な責任は野田幹事長にあるが、彼は民進党を破壊するつもりか。
彼女は顧問弁護士に「法的には逃げ切れる」といわれて安心しているようだが、これまで彼女が自民党に求めてきた「道義的責任」が、そのままブーメランとして返ってくる。民進党の国会議員からは「解党しかない」という声が聞こえる。テレビ番組でも、8人中6人が「蓮舫代表ではだめだ」と公然と意思表示した。
遅くとも来年初めには解散・総選挙があるとみられているが、民進党から出る勇気のある政治家は少ないだろう。年末に検察が蓮舫事務所などを家宅捜索したら、彼女を代表に選んだ民進党は壊滅し、共産党以下の泡沫政党になる。それぐらい劇的に終わったほうが、個々の議員がやり直すにはいいと思う。