共産党の方々もある意味で選挙上手だから、民進党の候補者の選対に共産党の方々が入ってしまうと、何の政治基盤もない新人の候補者の選対の実権は共産党の方々が握ってしまうことになるのだと思う。
選挙のプロと選挙の素人が一緒にいれば、結局選挙のプロの方々の言うとおりにならざるを得ない。
共産党の方々であれば、選挙用のポスターや印刷物の作成はお手の物だろうし、選挙カーの手配も運転手やウグイスの手配、ポスターの掲示、駅頭でビラ配りをする人たちの手配や街頭演説への聴衆の動員などにも不自由しないはずである。
必ずしも選挙区の人ではないが、共産党の人たちが選挙を仕切るようになると全国から共産との熱心な支持者たちがやってくるはずだ。
そうなることを喜ぶ人もいるだろうが、一旦共産党の人たちが選挙を仕切るようになると、非共産党の人たちや純粋にボランティアで候補者の応援に駆けつけてきた人たちの居場所がなくなるはずである。
保守系の人たちは、ただ見ているだけになりかねない。
都知事選挙に鳥越さんを担ぎ出したのは、多分共産党系の人たちだったのではないかと思う。
民進党の人たちはただ共産党系の人たちの動きに乗っただけだから、鳥越氏の選挙を実質的に仕切ったのは共産党の人たちだったのではないかしら、と思っている。
何か変だな、と思いながら、最後までついていったが、違和感は拭えなかったはずである。
市民派グループの皆さんが宇都宮氏を担ぎ出そうとしていたのに、共産党の人たちがよってたかって宇都宮氏を引き摺り下ろしたのではないかしら、と見ている。
その道のプロたちのやることは、凄い。
周りで見ていて違和感を持った人は結構おられたのではないだろうか。
鳥越さんの選挙事務所はもともとは蓮舫さんの選挙事務所だったと聞いた記憶がある。
民進党の蓮舫さんが鳥越さんの選挙を仕切るはずが、いつの間にか共産党系の方が鳥越選挙を仕切るようになったのではなかろうか。
少なくとも、外からはそう見えた。
蓮舫さんや野田さんは、鳥越選挙で相当懲りたのではないかしら、と思っている。
うっかり共産党の方々と一緒に選挙を戦うわけにはいかないな。
そう思ったとしても不思議ではない。
民進党と共産党が選挙協力をして、民進党の公認候補が正式に共産党の推薦を貰うことになれば、結局その候補者の選挙事務所は、選挙の実務に詳しい共産党の選挙プロの人たちの意のままに動かざるを得なくなる。
さすがに、それは困るなあ、ということで、今回の衆議院補欠選挙で民進党から立候補した人たちの選対は民進党の支持者等で固めた、ということではないか、と推測している。
多分、今回の選挙は民進党の候補者にとっては苦しい選挙になるはずである。
苦しいだろうが、長い目で見れば民進党にとっては、プラスに働くはずである。
軒を貸して母屋を取られるよりは、遥かにいい。
何にしても、まず足元を固めることである。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年10月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。