民進党の一部の方は米山氏と一緒に万歳の声を上げたかっただろうが、民進党にとってこれが勝利だなどと考えたら、とんでもない勘違いになる。
米山氏の勝利で、反って民進党は窮地に追い込まれることになる。
蓮舫さんの下で一枚岩を演出したかったのだろうが、私が見ている限り、これで今の民進党の亀裂が拡がった。
いつまで持つのかな、と心配してあげなければならないような危機的状況に差し掛かっている、というのが今の民進党ではないかしら。
執行部の中からも公然と蓮舫批判が出てくるようになると、蓮舫さんはいずれ民進党の中で立ち往生するようになる。
ガンバレ、ガンバレと小さな声で声援を送っていたのだが、蓮舫さんはどうももたないような気がしてならない。
誰が蓮舫さんに引導を渡す役割を担うことになるのか分からないが、私の見ている範囲ではどうも野田幹事長にその役割が回ってきそうな気がする。
民進党の中で蓮舫さんが本当の意味で頼りにできるのは野田幹事長一人のようである。
蓮舫さんには、自分の思い通りに民進党を引っ張って行けるだけの基盤も力もなさそうである。
何のかんの言いながら、結局はその時々の政治状況に大きく左右され、周りに合わせて行かなければならないのが蓮舫さんだ。
新潟県知事選挙では、党として中立で自主投票を決めていたはずなのに、結局は最後の最後に米山氏への応援演説を引き受けることになった。
どうやら執行部の他のメンバーには相談しないで、自分の独断で動いてしまったようだから。執行部の他のメンバーから大変なクレームが寄せられたようだ。
どうもクレームを付けた張本人は野田幹事長のようだから、蓮舫さんは民進党の中で最も頼りにしていた野田氏とどうしても疎遠になってしまう。
二重国籍問題についての蓮舫さんの説明や弁明について一貫性がない、などと野田氏は批判しているようだが、蓮舫さんは日一日と居心地の悪さを感じるようになるはずである。
政治家は、自分の思い通りに動けなくなったら、まずそこで終わりである。
蓮舫さんには気の毒だが、蓮舫さんの前に待っているのは、針の筵かいばらの道である。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年10月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。