日本経済新聞の報道によれば、旅行雑誌「コンデ・ナスト・トラベラー」が読者投票で選ぶ世界各都市の魅力ランキングで、東京が1位になり、2位の京都と合わせて日本が上位を独占したそうです(表も同紙から)
米国の富裕層をターゲットにした雑誌ということで、米国を除く世界各都市が対象になっていますが、1988年からの調査で東京が1位になったのは初めてということです。京都やフィレンツエのように歴史的な建造物が溢れている訳でもなく、東京の人気は文化の発信地としてのソフトパワーが評価されてのことだと思います。
日本全体で見ると、観光客の数は円高にも関わらず増加傾向が続いています。観光庁によれば、2016年9月の訪日客は1年前と比べて19%増えて、191万8200人。一人当りの消費額は2割近く減っているようですが、宿泊料金や飲食費は前年比でプラスになっています。これは、訪日する人の目的が買い物から、食事や滞在を楽しむ方向に変わってきていることを示しています。
一方で、訪日客を受け入れるインフラの整備は遅れています。AirBnB(宿泊)やUber(輸送)のようなシェアリングエコノミーは普及が遅れており、訪日しても宿泊や移動が低コストで効率的に出来ないという問題があります。
モノづくりで経済成長を遂げた日本の次の産業は、観光だと思います。日本には東京だけではなく全国に魅力的な観光資源が眠っています。ところが、マーケティングができていなかったり、観光客がアクセスしにくかったりと、せっかくの資源が宝の持ち腐れになっているのです。海外からは外国人観光客が年々押し寄せる人の流れができているのに、それに見合ったサービスが足りていない状態です。
ビジネスチャンスというのは、潜在的に存在している問題に対し、既存の状況ではソリューションを提供できないところに存在します。日本の訪日客へのサービスこそ、典型的な問題解決によるチャンスと言えるのではないでしょうか。
ビジネスの基本は風が吹いている場所にいること。風が吹いているところに行けば、少々性能が悪くても船は前に進むことができるからです。そう考えると、訪日客の増加や東京の人気から様々なアイディアが浮かんできます。
そんな新しいアイディアを色々考えていますが、具体的な形になったら、ブログの読者の皆様にもご紹介いたします。
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年10月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。