【追悼】小坂憲次先生ご逝去の知らせを受けて

尾藤 克之

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右が小坂憲次先生、左は筆者(2015年8月アスカ王国懇親会にて)

元自民党衆議院議員・参議院議員で、文部科学大臣や議院運営委員長など要職を歴任した小坂憲次先生が21日に亡くなられました。昨年11月に、悪性リンパ腫との診断を受けたことを公表し治療に専念するとして、今年の参議院選挙への出馬を見送っていました。

小阪先生は、障害者支援団体(アスカ王国)の活動をいつも温かく応援してくださいました。「尾藤君コラム読んでいるよ」と声をかけてくださり、学生ボランティアを労う姿がいまでも忘れられません。

多くの政治家や財界人を輩出する家系を名門と称することがあります。小坂家はそのような政治家の名門のひとつに数えられています。元外務大臣の小坂善太郎氏を父にもち、元運輸大臣の小坂徳三郎氏も叔父にあたる小坂家の系譜を簡単に紹介します。

小坂財閥を創業した小坂善之助氏を曾祖父にもち、信濃毎日新聞社主をつとめた小坂順造氏は祖父、信濃毎日新聞社長を歴任した小坂武雄氏は大叔父にあたります。また、継母の父は第1次近衛内閣で拓務大臣を務めた大谷尊由氏です。

第45回衆議院議員総選挙の自民党マニフェスト策定プロジェクトチーム座長の菅義偉選挙対策副委員長(当時)は、地盤を引き継ぐ世襲候補の立候補制限を公約に盛り込むよう提言しました。現職は適用外としながらも、子弟を後継にする場合には選挙区替えが必要になるという内容でした。

党役員連絡会で「もしそういうことなら私は世襲の権化です」「本当に規制するなら党から出ていくべきだということになる。私も覚悟を決めなければならない。世襲を単に悪者にするのでなく、個々の政治家の実力をみてほしい」と反論をされました。

小坂先生は、第24回参議院議員通常選挙に立候補せず引退することを明らかにしましたが、小坂家から他の候補者が出馬しないため、第1回衆議院議員総選挙で当選した国会議員の子孫で帝国議会以来続いた小坂家の国会議員議席は途絶えることになります。

小坂先生、永らく活動をご支援くださり有難うございました。
謹んで哀悼の意を表します。

通夜は25日午後6時、葬儀・告別式は26日午前11時から、共に東京都港区南青山2-33-20、青山葬儀所で。喪主は妻まり子(まりこ)さん。後日、長野市で自民党と小坂家の合同葬を行う予定(信濃毎日新聞10月21日)。

尾藤克之
コラムニスト

ps

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