「5分考えたら取り敢えずやってみる」戦略

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昨日の朝の丸の内朝大学マネークラスのゲストはソウ・エクスペリエンスの代表西村琢さんでした。ソウ・エクスペリエンスは10年前に設立された体験ギフトを取り扱う会社です。ネットで購入出来ますが、百貨店などの店頭でも専用の売り場があります(写真は有楽町マルイ)。

起業した会社が10年後に会社として存在している「生存確率」は3%と言われています。私より一回り以上若いとは言え、1つのことを10年続けてサバイブしてきた経験は、起業の先輩として勉強になることがたくさんありました。

西村さんとは、私がマネックス証券で仕事をしていた頃、慶応大学の投資クラブで活動していたことをきっかけに知り合いました。大学卒業後は就職をしないで、松下電器(現パナソニック)の起業家コンテストでグランプリを受賞。会社から数千万円の出資の申し出があったにも関わらず、自分で起業をして今に至っています。

お話の中で印象に残ったことは、「5分考えたら取り敢えずやってみる」というリスクに対する考え方でした。

西村さんの会社には、子連れ出勤という制度があるそうです。3歳くらいまでの子供なら会社に連れてきて、仕事をしながら子育てをしても良いという制度です。メディアでも随分話題になったようですが、仕事を本当にやりたいのに子育てで断念している人を何とかしたいと「取り敢えず始めた」制度が、今も続いています。入社希望者が急増して、人材の獲得にもプラスの影響があったようです。

今まで仕事をやりたくても諦めていた人たちに機会を提供できるとても良い制度なので、真似をする企業が増えると思いきや、意外に導入に慎重な会社が多いそうです。

「子供がいない人に配慮した方が良い」
「子供が事故にあったら誰が責任を取るのか」
「仕事の能率が下がる」
・・・

やらない理由をあれこれ考えて、慎重になってしまうようです。

しかし、大企業にいるコンプライアンスの人たちのようなリスクを回避する後ろ向きな議論ばかりしていて、いつまでも頭の中でぐるぐる回りしているより、まず始めてみて、問題が起こったらそれに対応していく方が遥かに良い結果が出るように思います。

勉強ができる人は、起こりもしない様々な可能性を考え過ぎて、リスクを取ることを躊躇する傾向があります。失敗しない戦略ばかりを考えているうちにいつしかリスクが取れない体質になっていきます。

仕事ができる人は、自分の頭で考えても結果がわからないことを理解しています。だから、取り敢えずはじめてみてうまくいかなければ改善する方法を考えて、結果に結び付けようとするのです。

無謀なリスクは避けるべきですが、本当はやろうと思ったことをやらないで時間が過ぎていくことは、後から大きな「後悔」をもたらします。

「やって後悔するのは良いが、やらなくて後悔することだけは絶対に避けたい」

西村さんのコメントに私自身も大きく共感しました。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年10月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。