小池新党の可能性が高まった、などという観測もあるが、あれは単なる観測気球で、具体的な動きがどこかにあるという話ではない。
そうなったらいいな、と思う人が自分の希望的観測を書いている程度のことと、今は軽く受け流しておいた方がいいだろう。
もっとも、いわゆる無党派層と言われるの人たちの中で相当多数の人が若狭氏への投票をしなかった、わざわざ投票所に足を運ぶことはしなかった、という事実は結構重い。
小池知事誕生を実現した当時の無党派層の方々が今回の衆議院補欠選挙では様子見をした、ということは多分組織選挙を得意とする自民党にはショックだったろうと思う。
自民党は決して有権者から見放されているわけではないが、今は自民党のブランドが無党派層と言われる有権者から好かれているわけではない、ということが今回の衆議院東京10区の補欠選挙の結果から明らかになった、と見ておくべきだろう。
自民党の執行部も選対も今回の選挙結果を相当深刻に受け止めているはずだ。
若狭氏が無所属で立候補した時に獲得するはずだ、と思われていた票を取り逃がした、ということだから、無党派層の人たちが怒りだすような乱暴なことを自民党が強行したら、今度は無党派層の人たちは反対側についてしまうことになりかねない。
油断大敵、火がボウボウ、などということにならないよう慎重に事を運ぶ必要があることだけは間違いないようである。
まあ、選挙基盤がしっかりしているいわゆる選挙に強い人たちにはそう大した影響はないかも知れないが、無党派層が有権者の8割ぐらいも占めるような地域では何が起こるか分からない。
これで衆議院の解散・総選挙は遠のいたのではないか、などという観測も出てきているが、私はそうは思わない。
いつ選挙をやっても状況は大して変わらない、いや、もっと悪くなるかもしれない、などという不安が過れば、大体のことは、自分がコントロールできるうちにやってしまった方がいい、という気になるはずである。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年10月24日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は産経新聞より引用)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。