不動産は立地が良くても、「●●」で収益性が変わってくる

不動産投資で大切なのは立地と言われます。確かに駅近で利便性が高く環境が良い場所というのは重要ですが、投資という観点から考えるともう1つ重要な視点があります(写真はネットから)。

それは「広さ」です。

賃貸用の住宅は延床面積が小さくなればなるほど、坪単価が上昇する傾向があります。例えば、50㎡のマンションの家賃が15万円だとすると、半分の 広さの25㎡のマンションの家賃は半額の7万5000円ではなく、それよりも高い8万円~9万円になることが多いのです。では、その半分の広さになると家 賃はどうなるでしょうか?

都内にあるワンルームマンションの場合、家賃の下限が5~6万円前後にありますから、延床面積が小さくなっても、それ以上に価格は下がりにくくなり ます。そのような、家賃設定の特徴を利用して最近増えているのが、面積が10㎡程度の「狭小ワンルーム」です。小規模な住宅であれば自治体のワンルーム規 制の対象外になるため、このような小さな物件も建設可能になるのです。

土地の面積に対して、戸数を多く作ることができ、坪単価が上昇するので、高利回りが期待できます。また、狭くても都心に住みたいという人のニーズがありますから、供給が少ないこのタイプの物件には強い賃貸ニーズがある可能性が高いのです。

一方で、簡易宿所やAirBnBのような民泊市場では、ワンルームよりも100㎡を超えるような広い物件の方が収益性が高くなることがあります。

民泊市場にはワンルームを10万円で借りて、1日1万円で貸しだすといった「不動産アービトラージ」を試みる人が多く、市場には供給が溢れレッド オーシャンになってしまいました。このような方法でビジネスを始めた多くの人は稼働率の低下と価格の下落で撤退に追い込まれています。

ところが、延床面積の広い物件は、競合が少なく大家族で旅行するような外国人が早めに予約をする傾向があることから、稼働率も高く経営が安定しやすいのです。

私もパリでAirBnBを利用しましたが、2LDKの広い部屋の料金がワンルームのような高級ホテルの宿泊料金の半額程度でした。長期間滞在する人や、人数が多いグループにとっては広い部屋をリーズナブルに借りられるのは大きなメリットです。

せっかく立地が良くても広さが中途半端であれば、ニーズに合った物件とは言えず広さの割に賃料を高く取ることができません。通常の賃貸物件の場合 も、ファミリータイプよりもワンルームの方が安定した入居率になるのは、好立地というだけでなく、広さがマッチしているからです。

都心の不動産投資については、個人投資家の方から開催の要望が極めて高く、11月にもセミナーを追加開催することにしました(2大特典付)。低金利が続き、優良な中古物件が少なくなってきている中、真剣に投資を検討している方のご参加をお待ちしています。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年10月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。