瓢箪から駒。小池さんは、よく豊洲移転延期決定が出来たものだ

早川 忠孝

豊洲移転延期を表明した小池知事(都庁サイトの10月20日の「各局訪問」より引用;編集部)

あの頃小池さんの豊洲移転延期表明をボロクソに批判されたいた方々が、今、どんな顔をしておられるか、見てみたいものだ。

いくら直感力の鋭い小池さんでも、豊洲市場に地下ビットがあることなどは知らなかっただろうし、東京都の意思決定のプロセスが如何にいい加減で、実質的に責任者不在だった、ということまでは想像もしなかったはずである。

石原元東京都知事は都庁は伏魔殿だ、という感覚自体は持っていたようだが、都庁を伏魔殿にしてしまった責任の一端は自分にある、という認識は持っていなかったようである。

石原氏が、長年、よきに計らえとばかりに殿様然として都知事に椅子に座り続けた結果が、今日の都政の混乱を招いているのだから、小池さんはそろそろ石原氏をはじめ歴代東京都知事の責任追及に矛先を切り替えては如何だろうか。

こういう仕事は本来なら都議会の方で引き受けるべきだが、どうも都議会も都庁の伏魔殿化に手を貸してきた感がある。

未だに都議会自民党の方から自浄努力を促すような声が殆ど聞かれないのが、不思議である。

かなり皆さん、鈍感なようである。
どうやら弛緩しきった都庁と都議会だ、というのが私の印象である。

都政のずさんな業務執行を見逃してきた都議会の責任も免れない。

未だに誰一人として頭を丸めようとしていない。
自分から詰め腹を切ろうとする人が都庁にも都議会にもいないのだから、如何に皆さん、緊張感を欠いたまま仕事をしてきたのが分かるというものだ。

雷を落とすのは、さすがの小池さんも嫌だろうが、都政改革の大鉈を振るうつもりがあるのなら、そろそろ大きな雷を落としてもいい頃である。
人から嫌われるようなことは出来るだけしたくないのが人情だろうが、小池さんはもっと厳しく対処していい。

うっかりすると後ろからバッサリ切られたり、足を掬われたりもするだろうが、黙ってやられるのを待つよりは、小池さんの方から打って出る方がいい。
小池さんもそれなりの傷を負うだろうが、同じ傷なら向こう傷の方がいい。

100日のハネムーンは、まもなく過ぎる。
これからが小池さんの本当の戦いだと思う。

絶対に怯まないことである。
小池さんが強くなればなるほど、小池さんの周りに集まる人は強くなる。
ガンバレ、ガンバレ。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年11月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。