民進党の階猛衆議院議員が予算委員会での質問通告を午前0時過ぎまで遅らせたため、全省庁で関係職員が待機を余儀なくされたという出来事が10月3日から4日にかけて起きた。ひと月前のことなのでネット上に記事はほとんど残っておらず、公明新聞だけが検索できた。他方、意図的に通告を遅らせたかのような報道や批判は事実無根だと、階氏は反論している。
階氏はいったい何を質問したのだろうか。10月5日付け朝日新聞の「焦点採録 衆院予算委員会 4日」は下しか書かれていなかった。
【政務官おんぶ問題】
民進・階猛氏 防災服を着ていたが、何のために着ていたのか?
務台俊介・内閣府政務官兼復興政務官 被災地の皆様を逆なですることであり深く反省している。
安倍晋三首相 現地の方々、警察、消防団、自衛隊の皆さんが頑張っている中、そういう方々の気持ちを傷つけることがあったとすれば大変申し訳ない。
たったこれだけとは信じがたいので、予算委員会議事録が公開されるのを待っていたが、やっと閲覧可能になった。
議事録によると、「政務官おんぶ問題」では務台政務官に2問、安倍総理大臣に6問質問している。台風被害関連では、そのほかに、中小企業への補助金について経済産業大臣に2問、総理大臣に1問、市町村への避難関連情報の提供について国土交通大臣に1問。台風被害から離れて、中小企業の資金繰り支援について日本銀行総裁と総理大臣に1問ずつ。
どうしてこれだけの質問で全省庁に待機を求めたのか、理解できない。階氏は岩手県選出で、台風で大きな被害が出たばかりだから、質問内容はわからないわけではない。しかし、そうであれば、無関係な省庁にまで待機を求める必要はなかった。
僕は、できる限り事実を把握してから批判するようにしている。それで記事を書くのが遅れたのだが、階氏は「働く人を守る、働き方を変える」という民進党の政策を自ら破ったとしか思えない。