トランプ躍進!正直が価値判断の中核になった

八幡 和郎

アメリカ大統領選挙の最終結果は出てないが、10月9日午後1時(日本時間)段階の情勢はトランプ有利でニュヨーク・タイムスは、確率80%と予想している。

もちろん、クリントン勝利の可能性は残っているが、たとえ勝利しても実質的には敗北だ。

ともかく、最大のエスニック・集団である白人(70%)において大きくトランプにクリントンが引き離されているというのは異常だ。これは、やはりプア・ホワイトに支えられたサンダーズ支持層がトランプに大きく流れたことを示している。

この事態をもたらしたキーワードは正直かどうかということだと思う。ヒラリーはどうみても正直でない。それに対してトランプは正直だ。この構図があるから、トランプのセクハラも、一時は嫌悪感を増したが、冷静に考えれば「うちの息子や兄弟だってあんなことぐら云うよ」ということになった。

とくにマスコミやセレブがこぞってヒラリー寄りだったのは考えてもアンフェアだ。中国や韓国の国粋主義者への協力すら平気な日本ほど極端でないが、欧米のマスコミも偏っている。アメリカも北東部のインテリの価値観に支配されてる。トランプを私はとうてい支持できないが、アンフェアな扱いには義憤を感じた。

そして、政策面で云えば、誰にもよい政策なんぞあるわけない。もちろん、リベラルな政策が経済成長をもたらす効果はあるが、急速な導入はプア・ホワイトという本来のアメリカ社会における多数派の犠牲のもとでしかなりたたないことを軽視し、隠しすぎた。

日本の各政治勢力にとっての中期的教訓は、「正直」ということをキーワードにしていくとみつかるのではないか。それをどの政治勢力が追い風に出来るかの勝負だ。