領土交渉、過大な期待をしない方がいいのは確かだが・・・

ペルーでのAPEC首脳会議で、プーチン大統領と会談した安倍首相(首相官邸サイトより:編集部)

まあ、それでも安倍さんが首相の内にしっかり道筋をつけて欲しい、と思うのが、ロシアとの平和条約締結とその前提としての北方領土問題の解決だ。

これは政権基盤が相当程度しっかりしている政権で、しかも世論が付いてきてくれるような政治状況がなければとても出来ないような難しい問題なのだが、今の安倍さんなら多少アゲインストの風が吹いても何とか凌げるだろうと思っている。

ロシアのプーチン大統領はもっぱら日本から経済協力を引き出すことにしか関心がないようだが、そこを何とかするのが日本の総理大臣だろうと思う。

12月に1日か2日、日本であったぐらいでは大した進展はないかも知れないが、3年ぐらいのスパンで考えれば何らかの合意が獲得できるはずである。

ここは、じっくり構えるところだろう。
慌ててロシアにお土産を上げないことだ。

アメリカが日本の経済協力を喉から手が出るほどに待っている、ということが分かったら、もうそれ以上は踏み込まない方がいい。

せいぜい渋い顔をすることである。
安倍さんがプーチン大統領との会談の後に苦り切った顔を示せば、いくら強面で、駆け引き上手のプーチン大統領でも、これはちょっと拙いかな、ぐらいには受け止めるはずだ。

今までは日本側が一方的に経済協力の条件を提示してきたような印象がある。
ああ、ロシア側にいいようにオモチャにされているな、などと日本の国民に思われないように、強かな日本を演じてもらいたいものである。

日本には如何にもタフ・ネゴシエイターだと世間一般から見做されているような人が見当たらないのだが、さて大丈夫だろうか。