今、日本で最もかっこいいベンチャー・キャピタリスト

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佐俣アンリさんの素敵オフィスに行った。

虐待で死んでいく赤ちゃんたちを救う、「赤ちゃん縁組」事業(http://engumi.florence.or.jp)の立ち上げを支援してもらっていた関係で、事業報告をしていたのだった。

事業の話。お互いの子どもが可愛すぎること。こんな可愛い子ども達が、痛めつけられるニュースに、心底胸が痛むよね、というような話をしていた時のことだ。

「駒崎さん、僕、毎年必ず稼いだ金の一部を、寄付すべきだと思うんですよ。そう、例えば1000万とか。」

面食らった。なかなか、毎年1000万円寄付できる人はいない。例えそれだけのお金を持っていたとしても、寄付しよう、というビジネスマンは、欧米と違って日本ではあまりいない。

「僕にとって、投資でベンチャーを育てて社会を変えていくのと、寄付でNPOを育てて社会を変えていくのと、同じなんですよね。営利でやれる領域もあれば、非営利じゃないとできない領域もあるし」

日本には寄付文化がない、と言われる。だが、この言葉はあまり好きではない。
文化がない、と言ってしまえば、やらなくて済むし、自分は免責される。
「文化はどうあれ、俺はこうする」という姿勢が、かっこいい。
そう言う意味で、佐俣アンリさんほどかっこいいベンチャーキャピタリストを、僕は知らない。

僕と別れた後、早速ネット上で「宣言」していた。すごいスピードだ。
http://bit.ly/2fnYaEJ

そのうち、彼に寄付や社会的投資で続く同世代の投資家、起業家が出てきて、「1000万クラブ」のようなものができたら、「寄付文化がない」とやらの、敗北主義的な日本の風景も、一変するのではなかろうか。強く期待したい。


編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2016年11月23日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。