高校魅力化ってなに!?藤岡慎二さんが語ります。

子どもたちの可能性・選択肢を広げる拠点・長島大陸Nセンターでは、全国のさまざまな分野で活躍するプレーヤーをお招きして、意見交換しています。

今回のゲストは、島根県海士町の隠岐島前高校を始め、全国での「高校魅力化」で有名な藤岡慎二さん。

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全国の高校の数です。このうち毎年約60校が廃校になっています。

特に離島で、高校が廃校になると、平均300万円~400万円の年収で、年間約150万円かけて本土の学校・寮に通わせることは極めて難しいので、家族(+祖母、祖父)で引っ越し。過疎の加速化に拍車がかかってしまいます。

地域に高校がなくなると、移住者も二の足を踏んでしまいます。だからこそ、島根県下の多くの自治体では、教育や高校の魅力化は移住定住政策の柱として、教育委員会のみならず首長部局でも担当しています。

隠岐諸島では、12年間で中学生の数が1/3に減少しました。存続ではなく魅力化、域外からも入学したくなる学校づくりが不可欠です。

一番の教育目標は、地域で生業・事業・産業をつくりだせる人材を育てること。「仕事がないから帰れない」ではなくて、「仕事をつくりに帰りたい」が合言葉です。

そのため
■新カリキュラムの創設(地域でしかできない学び)
■公営塾
■教育寮
をつくりました。

地域のおじいちゃん、おばあちゃんから「超高齢社会をよりよく生きるためのヒント」を研究するカリキュラムもあります。地域の知恵や経験を伝承するだけではなく、おじいちゃん、おばあちゃんも高校生に教えることで張り切って一帳羅の晴れ着を着るようになります。

日本は高齢化率世界トップ。その中でも離島はトップ、世界の最先端です。「超高齢社会をどのように生きるのか」世界中が注目しています。高齢化率世界2位のシンガポールの研究者たちがよく研究に来ます。そうした人たちと高校生がディスカッションします。かなり高度な学びを自然に取り組めるのが島前高校の魅力です。

また、地元だけではなく、外にも積極的に学びに行っています。国内外の研究者とのディスカッションなどを積極的に行います。実際に高校生が修学旅行でシンガポールに行き、現地の高校生・大学生とディスカッションします。

隠岐島前高校では、一度外に出て戻る「ブーメラン人材」を育てることを意識しています。人脈や経験を持って帰ってきてほしいです。

「地域を好きになってください」と言われても、なかなか好きにはなりません。それよりも「地域の人たちがどれだけ生徒に貢献できたか」が大切だと思います。だからこそ積極的に現場で、地域で学ぶ機会をつくっています。

現場で学ぶと、畜産業を継ぐのに必要なのは畜産そのものの知識というより、むしろマーケティングやブランディングの知識ということに気づくかもしれません。夢ゼミでは生徒ひとりひとりの夢や問題意識を掘り下げ一緒に考えていきます。夢や目標が具体化されることで、学習意欲や問題意識も上がり、成績が上がっていきます

→ 長島町でやっているぶり奨学金、獅子島の子落とし塾、Nセンターなどの一連の取組は、高校がなくなった町において地域のみんなで力を合わせて「教育の魅力化」をやっているのだなと改めて認識しました。

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<井上貴至(長島町副町長(地方創生担当)プロフィール>
http://blog.livedoor.jp/sekainotakachan/archives/68458684.html

公私一致」という働き方
http://blog.livedoor.jp/sekainotakachan/archives/68507744.html


編集部より:この記事は、鹿児島県長島町副町長、井上貴至氏のブログ 2016年11月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『「長島大陸」地方創生物語~井上貴至の地域づくりは楽しい~』をご覧ください。