なぜ長島町では矢継ぎ早に政策を打ち出せるのか?キーワードは…

平成28年度漁業共済担当役職員研修会でお話しさせていただきました。

挨拶や講演は、皆様の貴重な時間をいただくわけですから、できる限りTPOに応じた話をしようと心掛けています。

今回は、当然ながら、長島町のさまざまな取り組みの中から「水産の話題」を中心にしたのですが、そのつかみとして、次のようなお話をしました。

なぜ長島町では矢継ぎ早に政策を打ち出せるのか?
その理由は3つあります。

■1つ目は、「島」であること。

大好きな島を元気にしたいという皆さんに支えられているからこそさまざまな政策に取り組むことができます。

そして、これは自然発生的に生まれたのではなく、町長や組合長はじめ先人たちの長年の努力の賜物であること。「組合員のための漁協」を掲げて漁師の皆さんも一丸となっていますし、長島一周駅伝、ぐるっと一周フラワーロード、造形展などさまざまな取り組みを通じて島が一丸となる文化ができています。

■2つ目も、「島」であること

日本には、農業文化と漁業文化がありますが、農業文化とりわけ水田文化というのは、水路を共同で管理するわけですので、隣を見て行動する、違ったことはやりにくい。安定した社会で力を発揮しやすいのだと思います。鎖国で安定した江戸時代には高度な文学・芸術・数学が生まれました。

一方、漁業文化というのは自分で潮目を見て風を読んで魚を獲りに行かなければならない。隣を見て同じ行動をしていると魚がとれないわけです。東町漁協は「現状維持はあり得ない」を掲げていますが、常に新しいことにチャレンジするという文化が根付いています。

これは、変化の時代に力を発揮しやすいのだと思います。今、グローバル化・ICT化・ロボット化・超高齢化さまざまな変化がある中で、漁業文化が根付いた長島や鹿児島から、新しい時代を切り拓いていけるのではないでしょうか。

■3つめは、「しましま」であること

行政の縦割りに企業の横串をさす、官民連携を進めています。全てを行政が担うのではなく、企業などの専門性を生かすということに力を入れています。

例えば、高校・大学等卒業後10年以内に地元に戻れば返済を全て補填する「ぶり奨学金」も、地元の鹿児島相互信用金庫の力があったからこそこれほど早く制度化することができたわけです。役場には金融の知識はありません。・・・

言葉遊びから少しでも印象に残れば嬉しいですし、長島町の地方創生はTTP(徹底的にパクる)大歓迎。ここから何かが生まれてくれたら嬉しい限りです。


<もっと知りたい!講演録>
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<井上貴至(長島町副町長(地方創生担当)プロフィール>
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公私一致」という働き方
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編集部より:この記事は、鹿児島県長島町副町長、井上貴至氏のブログ 2016年11月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『「長島大陸」地方創生物語~井上貴至の地域づくりは楽しい~』をご覧ください。