都庁、政党復活予算枠を廃止!

記者会見する小池都知事(Facebook東京都知事 小池百合子の活動レポートより:編集部)

政党復活枠というのは戦後ずっと続いてきた東京都独特の奇妙な制度である。本来、都政をチェックするはずの議員がロビイストや陳情とりまとめ屋になる温床ともなっていた。この制度を一気に廃止するという英断が今日、発表された。

ちなみに毎日と朝日はしっかり解説。読売は少し腰が引けた書き方だった。以下は毎日。

小池知事は25日の定例記者会見で、都議会各会派の要望を受けて決める「復活予算案」を、来年度の予算編成から廃止すると発表した。復活予算案は都の慣例で、200億円規模。今後は希望する会派からヒアリングをすると同時に、業界団体などからの要望も聴取し予算案を作成するという。

財務局によると、これまでの予算編成は事前に各会派から要望を聞いて原案を作成。その後、原案から漏れた項目について各会派から復活の要望を聞き、最終的な予算案を完成させていた。復活予算案は、各会派が業界団体や支持団体などから意見を聞いて要望するケースが多かったという。

小池知事は「(編成の)プロセスを情報公開する。都民の声を最大限予算に反映させるため、都民や各種団体から広く意見や要望を聞き、編成作業に生かしていく」と述べた。来年1月下旬の予算編成を目指し、来月にも各業界団体から直接、意見を聴取する場を設けるとした。

これに対し、都議会自民党の高木啓幹事長は「ともに都民代表である知事と議会の意思を予算にバランスよく反映させることを目的として、長年にわたり続けられてきた復活予算の仕組みを事前の説明もなく廃止することは、議会軽視と言わざるを得ない」との抗議文を小池知事側に渡した(以上、毎日新聞)


編集部より:このブログは慶應義塾大学総合政策学部教授、上山信一氏のブログ、2016年11月26日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいた上山氏に感謝いたします。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、上山氏のブログ「見えないものを見よう」をご覧ください。