起業家が警鐘!バンジージャンプは飛ばなければわからない

尾藤 克之
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写真は今井氏

皆さまは次の質問にどのように答えるだろうか。「全国に何百店舗もあるチェーン店をゼロから築き上げるには、あなたは今日、何から始めればよいでしょうか?」「年間1億円を稼ぐコンサルタントになるには、何から始めれぱよいでしょうか?」。

新しいことを始めようというときは、「いったい何から始めるべきか」と、途方に暮れることがあるものだ。正解は「とりあえず踏み出すこと」である。最初からやり方を知っていて、何かを成し遂げた人はいない。まずは「踏み出す」ことが大切だ。

起業家、経営コンサルタントとして活動する、今井孝(以下、今井)氏の著書『起業1年目の教科書』(かんき出版)では、読者に対して、冒頭で紹介したような質問を投げかけている。内容自体は平易なものだが、どれも考えさせられる内容だ。

■行動を阻害されないことが大切である

―期待が大きければ大きいほど、手を付けられなくなり動けなくなることがある。何から始めればいいかわからないと行動が阻害されて、気がついたら時間だけが過ぎていく。

「私の友人で、WEB制作をビジネスにしようと起業した人がいます。しかし、クライアントの獲得方法などはまったく考えていませんでした。彼は、ビジネスとはまったく関係のない『速読』のセミナーに行きました。これから書籍をたくさん読むだろうから、というのが理由でした。するとなんと!そのセミナーで最初のクライアントを獲得します。」(今井)

―その友人は、WEB制作だけではなく会社の事務代行サービスなども展開しているそうだ。行動すると様々な展開があることを表す好例だが、行動が阻害されては元も子もない。行動が阻害される要因は何だろうか?それは「成功しなければいけない」という意識だ。その意識が強すぎると、結果的に、リスクを取ることばかりに悩んで動けなくなってしまう。

「リスクを取らずにスタートすることも大切です。起業すること、新しいチャレンジが、楽しくてワグワクしかしない人もいれば、考えただけで恐怖で動けない人もいます。夢や目標があれば、ワクワクする人もいれば物怖じする人もいます。人によって感じ方は違います。何かを始めるときに恐怖を感じる人は、それはそれでいいのです。リスクを取るのではなく、自分に合った安心感のあるやり方を探せばいいのです。」(今井)

■バンジージャンプは飛ばなければわからない

―学生時代に次のようなことがあったそうだ。バンジージャンプをしに行ったときのこと。最初は楽勝だと思ったが、台に上ると震えてしまったそうだ。

「友達はすぐに飛び込んだのですが、私はなんと30分もかかりました(笑)。理屈では『安全』だとわかっています。命綱も付いているしマットも敷いてあります。でも、数十メートル下を見ると恐怖で動けなくなるのです。大丈夫だと言われても、恐怖を感じているので、どうしようもありません。」(今井)

「同じように、ジェットコースターが楽しい人もいれば、恐ろしい人もいます。受け取り方は、人それぞれです。ビジネスも怖いものは怖いのです。仕方ありません。」(同)

―なかには、「ごちゃごちゃ言わずに行動しろ!」と言う人がいるかも知れないが、そのような輩は一切無視して構わないそうだ。大切なことは自分のペースでいくこと。会社を辞める必要も無い。気持ちを落ち着けて平穏でいることが最短距離である。

また、なにかをするには、気持ちが合ったもの同士が一緒にはじめるとより効果的だ。そのためには、心の通じ合ったパートナーの存在が欠かせない。もし、有力なパートナーの存在が見つかれば必然的に事業の方向性もより明確に定まっていくことだろう。

尾藤克之
コラムニスト

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