トランプ氏の大統領当選は、もしかしたら旧来型メディアの崩壊の序曲ではないかと感じています。
金融資本やテレビ、新聞などの旧来型メディアの支持を受けたクリントン氏を、自己資金で選挙を戦ったトランプ氏が破る。もちろん、その背景には、国民の上位1%が全米の80%以上の富を独占していることに対する不満があったのでしょう。
アメリカの一般国民の生活は苦しく、(ハーバード、プリンストンなど)アイビーリーグと呼ばれる東部名門大学を卒業しても就職先がなく、数百万の奨学金負債を抱えて自己破産する若者も多いそうです。ウオール街や旧来型メディアから多額の資金援助を受けたクリントン氏への反感は強く、州立大学の学費無料を掲げたサンダース氏が健闘したのも頷けます。
アメリカ大統領選挙の歴史を紐解くと、テレビの登場が若くてハンサムなケネディ大統領を誕生させました。その後もテレビの影響力は絶大で、テレビ討論の結果が選挙結果に結びつくことが多々ありました。
今回、旧来型メディアの多くを味方につけ、テレビ討論でも優勢だったクリントン氏をトランプ氏が破った背景には、SNS等のネットの影響が大きく寄与しているものと考えます。EU離脱を問う英国の国民投票もネットの影響が大きかったと考えています。
新聞やテレビなどの旧来型メディアがネットに取って代わられつつあるのではないでしょうか?奇しくも、1989年の11月9日はベルリンの壁が崩壊した日です。米国大統領選挙の結果は、旧来型メディア崩壊の序曲になりそうだと考えています。
編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2016年12月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。