メラニア夫人のNY残留に、ニューヨーカー10万人が”ノー”

安田 佐和子

トランプ次期大統領と言えば、大統領就任後もワシントンD.C.にとどまらず可能な限りNY市の自宅、56丁目の5thアベニューそびえるトランプ・タワーへ戻る意志を表明済み。その理由のひとつが、家族です。米大統領選後の勝利宣言で注目の的となった三男のバロンくんがマンハッタン内のプライベート・スクールに通う事情から、メラニア夫人にワシントンD.C.に引っ越す意志はないとか。ファーストレディがD.C.住まいを拒否するというのは前代未聞の事態ですから、さすが型破りなトランプ氏の奥方なだけありますね。ファーストレディは代々、社会貢献にいそしんできましたがメラニア夫人はNYでイニシアチブを取るのでしょうか。

メラニア夫人のNY残留には、問題が立ちはだかります。ファースト・レディを護衛するための費用は、1日当たり100万ドル也。その負担は、ニューヨーカーの肩に振りかかります。民主党のクリントン候補を選出した州でありリベラル派が多い市なだけに、猛反対は避けられず。メラニア夫人の護衛費負担を拒否するよう求めた嘆願書が立ち上げられ、10万人以上(NY時間で3日の午前7時50分現在)が署名していました。NY市の人口は約860万人ですから、12%が反対の意を表明したことになります。メラニア夫人の護衛費を連邦政府に任せるべきとの嘆願書も7,583人の署名が集り、目標まであと2,417人(NY時間で3日の午前7時50分現在)に迫りました。

10万人以上を超える嘆願書は、クオモNY州知事とデブラシオNY市長(写真)に宛てたもの。

(出所:Change.org)

トランプ氏自身、選挙キャンペーン中は自身のベッドで眠るべく、多忙を極めるなかでも夜中に飛行機やヘリで5thアベニューへ帰宅したといいます。メラニア夫人のNY住まいはトランプ氏の強い意向とも捉えられ、簡単に撤回されそうにありません。

(カバー写真:Daniel Czichowsky/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年12月5日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。