自民党都連が7人の区議会議員の除名処分に踏み切ってしまったのは、自民党にとっては少々残念なことだったと思う。
まあ、前の自民党都連執行部が都知事選挙への対処方針や手順を誤ってしまったために、小池さんを都連執行部に対する造反的かつ見切り発車的な都知事選挙出馬に追いやってしまったのだから、今の都連執行部を批判することは出来ないのだが、出来ることなら除名処分などという如何にも血刀を振るうようなおどろおどろしい処分ではなく、若狭さんや小池さんに対するような穏便な処分に止めておく方が大人だったのではないだろうか。
若干党のガバナンスや所属議員の規律に緩みが見られるようだから、組織としての箍を締め直すためにあえて除名という処分にまで高めてしまったのだと思うが、除名ということになると処分を受けた人たちが如何にも大層な非行をしたかのように映ってしまう。
圧倒的な多数の都民の支持を得た小池さんを応援しただけの7人の侍をなんで自民党都連は除名するのか、自民党都連は圧倒的多数の都民の意思に真っ向から歯向かおうとするのか、ということになる。
批判されるべきは、圧倒的多数の支持が得られる小池さんを力づくで引き摺り下ろし、落選必至の二番手、三番手の候補者をわざわざ都知事選挙に引っ張り出した一部の人たちの方だろう、ということになるのが筋のはずである。
間違った戦いを仕掛け、あるいは指導した責任者の責任を不問にして、都民の圧倒的な支持を得た小池さんや小池さんの応援をした国会議員や末端の区議会議員の責任を問うて何になる、というところである。
組織の箍を締めるためにあえて除名処分にした、という都連現執行部の方々の心情は分からないでもないが、しかしやはり上手な対処方法ではなかった。
少なくとも大方の都民や国民の感情を逆撫でするようなことはしない方がよかった、というのが私の感想である。
ちょっと慌て過ぎましたね、というところだ。
除名処分を受けた7人の侍は、結局、如何なる恫喝にも如何なる懐柔にも心を動かされなかった気骨のある剛の者、ということになる。
7人の侍がやったことは、ただ小池さんの応援だけで、後は二階幹事長の懇親と言う名の懐柔の席に顔を出さなかったり、身上書を出さなかっただけのことだ。
都連の執行部の方々の再三再四にわたる恫喝にも一切膝を屈することなく、自分たちの信念を最後まで貫き通した、というのだから、滅多にお目にかかることが出来ない侍たちだ、と言っていいだろう。
12月5日までに身上書を出せと要求したが、出さなかった、ということぐらいでこういった気骨のある侍たちを除名するとは、実に勿体ないことをした。
小池さんと7人の侍との絆は、これで益々強くなるはずである。
小池さんの足を引っ張りたい方々の期待とは違って、小池さんはこれで益々強くなる。
12月10日以降に何があるか。
しっかり目を開いて、よくよく注目されることだ。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年12月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。