なぜ50代になると同窓会が増えるのか?

内藤 忍

大学の教養学部時代の気の置けない仲間と週末に飲みました。土曜日の午前中に予定が決まって、その夜という慌ただしいスケジュールにも関わらず、仲の良い5人が集まって、来年から大阪に仕事で赴任する友人の送別会となりました。

送別会に限らず毎年のように会っているメンバーですが、話していることにはあまり進歩がありません。大学時代の同じような思い出話を毎回繰り返ししているだけのような気がします。しかし、言いたいことを勝手に言い合い、30年以上前の思い出を共有できるメンバーがいるというのはありがたいことです。この日も有楽町の焼き鳥店をはしごして、今年一番という位の大笑いをしながら、あっという間に時間が過ぎていきました。

大学の同級生とは、かつてはライバルとして切磋琢磨してきましたが、この世代になると誰が出世したとか、誰が成功したといった話は、あまり大した話では無いようになってきます。若い頃のギラギラした競争心が消えていき、仕事以外の別のことに興味を持ち始めるようになります。家族のことや、これからの人生どう生きるか、あるいは社会に対してどんな貢献をしていくのか・・・。随分丸くなったものです。

大学の友人だけではなく、50代になってから同窓会の開催が増えました。最初に勤務した銀行を辞めた人たちの集まり、高校の同級生の集まり、中学の同窓会・・・。若い頃にはまったく接点の無かった人たちが再び同じ場所に集まって語り合うようになっています。

そこには当時の記憶を一緒にシエアできる仲間に会いたいという欲求があるのだと思います。年齢は重ねてしまっていても、同じ時代を生きた仲間に会った瞬間、その時代にタイムスリップできる。昭和のテレビ番組を見るような感覚で、懐かしい気持ちになるのは悪いものではありません。

若い頃に同じ時間を過ごした仲間というのは、もうこれから増えることはありません。つまらないことで衝突したり、激しくやり合った当時の思い出も今となってはどうでも良いこと。それよりも、久しぶりに会う度に、また次に会う時もお互い元気で、と心の中で祈るようになりました。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年12月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。