営業マンの最強レターとは?どのような内容にすべきか

尾藤 克之
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写真は講演中の木戸氏

あなたは、営業マンの「最強レター」とは、どんな内容だと思うだろうか。「メリットや数字を入れて明確」「強力なオファーを用意する」「社長の思いを書く」「たくさんの顧客の声を集める」。色々な意見があるに違いない。

今回は、『配るだけで契約が取れる!「最強集客レター術」』の著者であり、集客コンサルティングなどを手がける、木戸一敏(以下、木戸氏)に、その違いについて聞いた。

■営業マンの「最強レター」は人間味があること

――あなたの周りの「売れる営業マン」に注目してもらいたい。その人には「トークが上手い」「段取りがよい」などの特徴はないだろうか。しかし一方で調子がよく胡散臭さを残すきらいもある。

「これまでもセミナーのなかで同じ質問をしたことがあります。ダントツに多かった意見は『人間味のある人』でした。『売れる営業』には、人間味があるということです。次のような疑問をもったかもしれません。『そうはいっても、商品のことを語らないことには売れないのでは?』。私が主催しているセミナーの参加者のなかにも、こういった疑問をもつ人は少なからずいらっしゃいます。」(木戸氏)

「たしかに商品のことを語らないと、不安な気持ちになるものです。かくいう私も、『売れない営業』時代はそう思っていました。しかし、その考えが、トップ営業マンの先輩からの、ある一言で180度変わったんです。」(同)

――その先輩に何のために営業マンが存在するのかを、次のように諭されたそうだ。

「商品を語ることで商品が売れるんだったら営業マンはいらないよ。例えば、一流メーカーだったら、商品も悪いわけがない。だったら営業マンなんていなくても売れちゃうわけでしよ。それじゃ、その会社はみんなダントツの成績なのかというと、どう?。商品性だけで売れるなら、みんな成績がいいわけだよね。」(木戸氏)

「でも現実は、知名度抜群の超一流メーカーの商品なのに、『売れる営業』もいれば『売れない営業』も存在する。この差は何だと思う?」(同)

――その差とは、営業マンの「人」としての違いだった。このように諭されてから、木戸氏は商品をアピールする営業スタイルから、自分がどういう人問なのか、「人問味」を感じてもらえるようなスタイルに変えて、さらに成果を挙げられるようになった。

「私自身の体験からも、人間味を感じてもらうことが『売れる営業』に必須の条件だということは自信をもっていえます。そして、本書の肝であるレターも同様に、『人間味のあるレター』にすれば売れるということです。レターには人間味、つまり営業マンである『あなた自身』が入っている必要性があります。」(木戸氏)

「あなた自身が入るとは、『あなた』を知ったり感じたりすることができるレターのことなんです。友達が車を買い替えた。ウチもそろそろ考えようと思ったときに、『あなた』のことを覚えていてくれるような内容でなければいけません。」(同)

■営業トップを続けるためには

――木戸氏は「売れる営業トーク」のつくり方の本を2冊出版している。そして、それらの本を書くうえでのベースになっだのが、教材の訪問営業で37ヵ月連続でトップ営業になったときの経験だ。

「私は、いつも決まった営業トークを使っていました。壊れたテープレコーダーのように、同じことを繰り返す、超ワンパターンのトークでした。不思議に思われるかもしれませんが、これが37ヵ月連続でトップ営業になれた理由です。毎回決まったトークをしていると、『どの部分が機能しなくて、どの部分が機能するのか?』ということを判断し、改善していくことができます。」(木戸氏)

「この試行錯誤の末に完成したのが、超ワンパターントークです。じやあ、この超ワンパターントークを文章にしてみたらどうなるのだろう?と文章にしたら理にかなっていることが分かりました」(同)

――マーケティングの「AIDMAの法則」を聞いたことがあるだろう。「AIDMA」とは、Attention→ Interest→ Desire→ Memory→ Actionの頭文字を取ったものである。マーケティングの実務書を書いていたローランド・ホールが『Retail Advertising and Selling』の中で「広告宣伝に対する消費者の心理的なプロセス」として発表した。

「AIDMAの法則とは、お客様が商品を員おうと思うまでの感情の変化をわかりやすく法則化したものです。私が使っていたレターも、知らず知らずのうちにAIDMAに則ったものになっていたんです。その一つが、レターに写真を入れることです。なかにはオレは写真うつりが悪いしという方もいるでしょう。次のように考えてください。」(木戸氏)

「お客様を訪問するとしましょう。もし、そのとき、あなたが覆面をしていたら商品が売れると思いますか?。当然ですよね。自分の顔を見せようとしない、覆面をした営業マンから商品を員おうと思ってくれるお客様なんて、いるわけがありません。」(同)

――本書には、木戸氏が実際におこなっている事例が具体的に紹介されている。営業的手法をマーケティング視点で理解したい方には参考になることだろう。

尾藤克之
コラムニスト

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