【映画評】2016年総括と2017年展望

渡 まち子

2016年の総評と2017年の展望です。
その前に、昨年、鬼籍に入った主な映画人をここで少しご紹介して、ご冥福をお祈りします。

デヴィッド・ボウイ(歌手・俳優)、アラン・リックマン(俳優)、
アントン・イェルチン(俳優)、根津甚八(俳優)、
キャリー・フィッシャー(女優)、デビー・レイノルズ(女優)、
エットーレ・スコラ(監督)、マイケル・チミノ(監督)、
アッバス・キアロスタミ(監督)、アンジェイ・ワイダ(監督)、etc.

映画界の星たちがまた天国へ…。合掌。

2016年・映画界はこうでした

2016年はいつにも増してアニメ強し!の年でした。もう「君の名は。」は、嵐というよりハリケーン級の映画と言っても過言じゃありません。もちろん、2016年はアニメの当たり年だったので、他にも秀作、良作がいっぱいあったんですが、「君の名は。」があまりにすごすぎて…。ヒットの要因などは、山ほど分析されてますので、ここでは割愛します。ただ、日頃、映画館に行かない老若男女の観客までも巻き込んでの社会的ムーブメントは、やはり並々ならぬ力があったと思います。新海誠監督は、実力は折り紙付きで、これまでも熱いファンは沢山いたものの(もちろん私も大好きな監督です)、一部のファンが大切に作品を守ってきたようなイメージだったので、この超爆裂ヒットには、古くからのファンは、逆にとまどっているかも。いずれにしても次回作、とんでもなくハードルが上がってしまいましたネ。新海監督、頑張ってください!!

邦画では「シン・ゴジラ」が大ヒット。ハリウッドの実写大作は、相変わらずアメコミ映画が強く、マーベルに対抗してDCコミックも、複数のヒーローが競演するスタイルで勝負をかけてきました。年末に公開された「ローグ・ワン」は記録的ヒットで見事なロケット・スタートを切り、次回のSWへと期待をつなげてくれています。そんな中、レイア姫ことキャリー・フィッシャーの訃報が。次回作の撮影は終わってるんですが、それから先はどうなるのか…。見守りたいと思います。

2017年初の注目作「沈黙-サイレンス-」(公式Facebookより:編集部)

2017年・映画界はこうなるでしょう

2017年の傾向は…って、例によって、続編やシリーズものの大作がズラリと勢ぞろいしています。なんだか、毎年同じことを言ってる気がしますが(苦笑)。

「ワイルドスピード」、「トランスフォーマー」、「パイレーツ・オブ・カリビアン」、「エイリアン」などの人気シリーズ最新作には注目です。40年ぶりの「ブレードランナー」は、ちょっと読めない作品ですね(期待はしてます!)。もちろん「SW エピソード8」も忘れちゃいけません!

さて、年が明けるとすぐに話題になるのがアカデミー賞です。
第89回アカデミー賞のノミネート発表は、2016年1月24日、授賞式は2月27日(日本時間)。今回もバラエティに富んだ作品が並びそうで、楽しみですね。

作品賞として下馬評が高いのが
「ラ・ラ・ランド」「マンチェスター・バイ・ザ・シー」「ムーンライト」「フェンス」「ライオン」「ジャッキー」etc.
遠藤周作原作、マーティン・スコセッシ監督の入魂作「沈黙 サイレンス」は、日本人キャストも多数出演している力作なので注目したいところです。

まだ日本で公開されていない作品が多いので、予想は難しいかもしれませんが、映画界最大のお祭りなので、目が離せません。予習のつもりで注目しておいてくださいね。日本人や日本映画もなんらかの形でからんでくれると嬉しいです。

あぁっ、楽しみ!!

さて、明日からは、当ブログ通常の新作映画評がスタート。
年末に記事をUPできなかった、気になる映画もボチボチ紹介しようと思ってます。
あ、超繁忙期(公私共)はちょっとサボるかも(苦笑)。
2017年も体力が続くかぎり、映画を見ます。
皆さん、こんな私にどうぞお付き合いください!


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2017年1月9日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は「沈黙-サイレンス-」公式Facebookより)。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。