ひょっとしたら、そこまでやってしまうのじゃないか。
そう、思っている。
やれっこないと思っていたが、選挙に勝つためには何でもやる、というのが最近の自民党だから、今度は自民党は強権を発動しそうである。
小泉さんが、郵政民営化に反対した自民党の国会議員を次から次へと非公認にし、その議員の選挙区に刺客を立てたことを覚えておられる方がまだおられると思うが、安倍さんの自民党もどうやら似たようなことをやりそうである。
もっとも、今回やるのは何らかの政策を推進するためではなく、あくまで選挙に弱そうな自民党所属の国会議員を自民党から排除すること。
選挙に弱い候補者を選挙に強い候補者に差し替えるだけだから、自民党の政権基盤を揺るがすようなことはなく、自民党の中で波風が立つ虞は殆どないと選対では踏んでいるのだと思う。党員確保のノルマが果たせない人、選挙区内での評判が今一つ芳しくない人、選挙区内での活動がパッとしない人などがターゲットになるのだと思う。
かつてほど派閥の力が強くないだろうから、ターゲットにされた人は気の毒なものだ。
地元から見放され、党本部から見放され、派閥からも見放されることになる。
自民党の中での派閥の流動化がありそうだ。
若い人に対する面倒見の良さでは定評のある二階さんのところに若い人や無派閥の人がどんどん集まる仕掛けの一つになるのだと思う。
かつて世襲制に対する批判の声が高まり、自民党の中で、候補者の公募を拡げようとか、現職の国会議員を当然公認候補にするのでなく、新人と競わせるようなチャレンジ制度をどうにゅうすべきではないか、という議論が盛り上がったことがあるが、今回の候補者差し替えの動きはそういう動きとはまったく関わりがないようだ。
当選1、2回の自民党の若い衆議院議員の皆さんは、戦々恐々というところだろう。
候補者差し替えの話が出たら、まず、その人の政治生命はそこで終わる。
自民党の選挙戦術としては、今のところこれが最高だろう。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年1月9日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は自民党サイトより)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。