マーケットは、20日に予定するトランプ米大統領就任式を控え様子見モードに入っている場合ではありません。
16日週は、イベントが目白押しです。特に17日は、ダボス会議発出席の習近平主席が演説を行います。直接トランプ次期大統領を槍玉に上げることはないでしょうが、タイミングがタイミングなだけにマーケットが拡大解釈する可能性は否めません。
同じ日に、ニューヨーク連銀のダドリー総裁がNY寄り前に講演を行うだけに17日は荒れる予感が漂いますね。さらにブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事のほか、引け後にはサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁(今年の米連邦公開市場委員会、FOMCで投票権なし)も登場する予定です。
ブレイナードFRB理事、トランプ勝利で財務長官への道が閉ざされ発言はどう変わる?
(出所:Fortune Live Media/Flickr)
18日には米株が終盤を迎えるNY時間午後3時、真打ちイエレンFRB議長がコモンウェルス・クラブ・オブ・サンフランシスコで経済について講演を開始します。その前には最もハト派寄りで知られるミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も登壇し、ベージュブックも公表されるため忙しい1日となること間違いありません。
19日は、イエレンFRB議長が再び現地時間の引け後にスタンフォード大学で経済と金融政策について発言する機会があります。当日は寄り前のフィラデルフィア連銀のハーカー総裁(今年のFOMC投票権あり)をはじめ、午後にサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁、引けのタイミングでボストン連銀のローゼングレン総裁がスピーチを行う予定。さらに欧州中央銀行(ECB)の定例理事会も開催され、市場関係者にとって長い1日となることでしょう。
20日の米大統領就任式の日に合わせ、再びフィラデルフィア連銀総裁とサンフランシスコ連銀総裁が講演する予定です。
ここまでイベントが集中するのも、珍しいほど。おまけに17日にはモルガン・スタンレー、18日にはシティグループなど決算発表も重なり、足元眠っていた市場のボラティリティが目を覚ましてもおかしくありません。
(カバー写真:Day Donaldson/Flickr)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2017年1月15日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。