ペイトリオッツが逆転優勝!米株へのインプリケーションは?

安田 佐和子

アメリカン・フットボールの頂上戦スーパーボウルが6日、華々しく開催されました。第51回は、ニューイングランド・ペイトリオッツVSアトランタ・ファルコンズの戦いに。部隊は、テキサス州ヒューストンのNRGスタジアムでした。

今年は第51回目を迎えるスーパーボウル、回数を示す数字は「LI」と慣例通りのローマ数字表記に戻りました。なぜわざわざ説明差し上げたかと申しますと、前回は「L」ではなくアラビア数字の「50」を使っていたんですよね。「L」だと額の上に人差し指を縦、親指を横に伸ばすサインでおなじみの「Loser=負け犬」の頭文字になってしまうので、ローマ数字表記を回避したのでしょう。当時は一応、ナショナル・フットボール・リーグのブライアン・マッカーシー広報担当は「Losing=敗北」のLだからと使用しなかったと説明していましたっけ。

2017年のハーフタイム・ショーは、レディ・ガガが参戦。

(出所:NFL)

さて今年の覇者はご案内の通り、ニューイングランド・ペイトリオッツです。序盤にファルコンズが25点差をつけられていたため、クオーター・バックのトム・ブレイディ選手の華麗なるリードでミラクルを起こしたといっても過言ではない。トム・ブレイディ選手と言えばトランプ支持者ですから、大統領もご満悦なのではないでしょうか?しかも、ペイトリオッツ=愛国者ですから、「米国を再び偉大にする(make America great again)」をキャッチフレーズとするトランプ米大統領に追い風が吹いているかのようです。

しかしながら、毎年お伝えするように米株にとってはグッドニュースではありません。アメリカン・フットボール・カンファレンス(AFC)が優勝すると、米株が下落するアノマリーがございますからね。的中率は8割と言われ、特に1967年から1997年の間は31戦28勝で勝率9割と驚異的でした。

2008年からの10回を振り返ると、S&P500でみた勝率は格段と下がります。AFCとNFCの優勝回数はちょうど5回ずつで陽線引けした回数は7回、そのうち4回がAFCでNFCは3回となり、AFCに軍配が上がります。

では、ペイトリオッツが優勝した時はどうなのか。2000年以降でみると、今回を除き2勝2敗と拮抗しています。足元では年初来でプラスのリターンを叩き出しているため、このまま上昇気流に乗れば3勝敗で勝ち越す見通しなんですね。

少なくとも、今年のスーパーボウルのチケット価格においてペイトリオッツは大いに貢献しました。今年は一時5,650ドルにまで跳ね上がり、2013年の2,173ドル、2014年の2,069ドル、2016年の4,000ドルを大幅に超えています。やはりペイトリオッツは人気で、2013年から2017年までの最高はニューイングランド・ペイトリオッツVSシアトル・シーホークスの6,923ドルでした。筆者も、当時はマンハッタンを臨むロング・アイランド・シティのパブで熱戦を見守ったものです。

ペイトリオッツと言えば2015年のデフレ―トゲート(ボールの空気圧をめぐる不正問題)をはじめ、2002年のウォークスルーゲートやスパイゲートなど相手チームを盗撮してきた不名誉な歴史を持つ。それでも王者の貫録を見せつけるわけですから、アメリカ人も応援せざるを得ない?

(カバー写真:Texas.713/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2017年2月6日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。