流通への参入の目的は ?

朝早くにヨドバシ・ドット・コムに書籍を注文したら、「本日の午後4時までに配達します」と出てきて実際に配達されます。ユニクロやドンキも当日配達をはじめるそうです。

アマゾンにしろヨドバシにしろ、このようなビジネスでどうやって利益を上げているのか不思議になります。

これはあくまで私の個人の予想ですが、最終的にはウーバー型の個人宅配(日々の買い物も含む)と拡大するCtoC市場を狙っているような気がします。

今年中に日本でも発売されると言われているアマゾンエコーや同種のデバイスはリビングに設置されて、「洗剤をお願い」というふうに声をかければ洗剤が配達されます。
http://soukai213.com/amazon-echo

同じようなデバイスがGoogleやマイクロソフト等からもどんどん発売されるでしょう。
パソコンが出来なくてもスマホを持っていなくても、一声かければ「買い物」が出来てしまうのです(もちろん、それ以外にもスゴイ機能がたくさんありますが…)。

とはいえ、本一冊や洗剤一つを配達していたのでは費用倒れになるでしょう。
私が想像する最終目標は、日々の買い物や個人間取引を音声で感知し、運送はウーバーのように(時間の空いた)個人が引き受ける形態をとるんのではないかと考えています。
現に、ウーバーイーツというのも首都圏の一部では既に稼働しています。

運搬者として登録している人の中で時間の都合の付く人が委託を受けて日々の買い物や個人間の取引商品を個人宅に届ける。個人間取引は、メルカリのようなアプリで今後ますます拡大するでしょうし。

日々の買い物も安定的な需要が見込めますし、有機野菜の宅配ではオイシックス等が規模を拡大しています。

いずれにしても宅配市場を制するためには、顧客情報が必須です。
アマゾンは書籍の無料配達から始まって業務内容が広がりました。その間に集積された顧客情報は膨大な数にのぼっているはずです。顧客情報は、顧客の好み等だけでなく金額に拘るタイプか否かなどわれわれの想像を絶する情報がデーターで解析されています。

ヨドバシ・ドット・コムが費用倒れになっても即日配達をやっているのは、顧客情報を集積・分析するという目的があるのではないでしょうか?

「ウーバー的配達」が普及すれば一気に配送コストを下げることが可能ですが、顧客情報は一朝一夕には集められません。

来るべき、「音声注文」→「ウーバー的配達」に備えて、各社が着々と準備をすすめていると考えているのは私だけでしょうか?

荘司雅彦
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2014-08-26

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年2月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。