この小池さんを応援する気はさらさらないのだが、偶々参議院予算員会での共産党の小池晃さんの質問ぶりを見て感心した。
ああ、これで民進党の皆さんよりも共産党の議員の方が野党議員としての質問力が上だ、という評価が定着するだろうな、と思わせるような見事な質疑ぶりだった。
物事の調査能力という点では、どうやら共産党の方が大分上のようである。
手元に証拠を持っているのに、あえてどこから入手した誰の資料か一言も言わないで、次から次へと質問を畳み掛ける。
何も知らない総理は、自分の事務所のことかしらと訝りながら、とにかく何か答弁せざるを得なくなる。
自分のところはまったく関係していないぞ、と思っているから、ついつい答弁の口調もきつくなり、反って質問者が持っている資料が何だか物凄く重要な資料に見えてくる。
そんな質疑の模様を見ていた関係者は、いたたまれなくなって、それはうちの資料だ、真相はこうだ、と言いたくなってしまうのだろう。
いや、これはまずい。
早く記者会見を開かなければ、とついバタバタと記者会見を開いてしまう。
それが、昨日の鴻池参議院議員の記者会見だったのだろう。
弁護士等と十分打ち合わせをしたうえでの記者会見であれば、誰に対しても殆ど何の手がかりも与えないような無難な記者会見になったと思うが、どうやら鴻池さんは根が善人のようで、結構あけすけに何でも語っていたようだ。
それだけ小池さんの昨日の予算委員会での質疑が上手だったということだ。
森友学園の国有地払い下げについての疑惑が、今日の予算員会での小池さんの追及でさらに深まったな、という印象である。いつ衆議院の解散総選挙があるか分からないが、これで共産党の株が一段上がっただろうことは間違いない。
森友学園の問題はそろそろ一段落する頃かしら、と思っていたのだが、鴻池さんの登場で当分火が消えなくなった。総理夫人の名誉校長就任問題などどこかに吹き飛びそうである。
この状況では、瑞穂の國小學院の設立認可はどうみても無理である。
ただのこんにゃくなのか、商品券なのか、それとも本当に100万、200万の現金なのか分からないが、森友学園が国有地獲得のために政治家の力を借りていた、少なくとも借りようとしていた
ことだけは間違いない。
森友学園の弁護士は、鴻池さんに渡そうとしていたのは商品券だ、などと弁明しているようだが、ただの商品券でもいけないものはいけない。
鴻池さんが麻生内閣で官房副長官を務めており、麻生派の重鎮の一人と目されている、ということなどあれこれ考えれば、この問題はそう簡単には火消しが出来なくなる。
明日の石原さんの記者会見よりも、どうやら森友学園の問題の方への関心の方が高そうだ。
ちょっと民進党の出番がなさそうな感じだが、蓮舫さんが登場するとしたら、来週の月曜日6日辺りかしら。
野党の方々の質疑は、共産党の小池さんのようにやるといい。
くれぐれもブーメランにならないように。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年3月2日の記事を転載させていただきました(動画は日本共産党公式YouTubeチャンネル)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。