森友学園が国から安く土地を買い受け、時同じくして大阪府の私立小学校設置の基準緩和が行われた問題。事態は学園側の認可申請取り下げ、代表交代で幕引きになろうとしています。
私は「安保法制可決おめでとう」を幼稚園児に言わせるのはさすがにやりすぎだけど教育勅語を伝え学ぶ自由は尊重すべきかなあと思ってぼんやりとこのニュースを見ていました。
まあ、こんな私のように多くの国民の側からすれば、森友学園の経営する塚本幼稚園の教育内容のイメージが色濃く残り、問題の本質である国、府側の学園に対する便宜供与が適切だったか?不適切だったか??は結局わからぬままとなりつつあります。
認可をめぐっては、報道に対し府知事が不認可を強調する一方で、延期の上の認可を示唆するなど、認可か不認可かどうなるかわからない雰囲気がありました。
ここではじめて、あれ??と思いました。
建前上は知事部局と教育行政は独立別個。しかし、大阪の場合は公選職である知事や大阪市長の意見具申を受けた教育行政が行われているので(なんでそうなったかの説明は長くなるのではしょります)、こんな重大事案ならなおのこと教育長が知事に対応方針の伺いを立てないわけはありません。
にもかかわらず知事、教育長の発言に結構なニュアンスの違いがあることが驚きでした。
なので「知事の不認可発言はパフォーマンスで、延期してほとぼり冷ました上で認可」というのもあり得るだろうなと思っていました。
しかし、先週後半から急転直下。
学園側が私学設置を判断する大阪府私学審議会に提出していた教員名簿には教員になることを了解していない人物の名前が載っていたなどの事実や工事契約書の虚偽もわかってきて審議委員もヒートアップ。「不認可」は必至となりました。
私学審議会の構成メンバーは非常勤で委員に任命されている私学の幹部や弁護士、学識者。これらの方々はいつもは意見を言うだけ言って事務方が提出する議案(知事がチェック済みの)を通してそれで終わり。
ところが今回のようにメディアで学園側の問題が盛んに報じられると、府知事、事務方が仮に延期の上の認可を主張したとしても不認可は避けられなくなります。
一部報道の言うように、仮に本当に不適切な便宜供与をしていたならば、不認可は知事、維新側にとってリスキーです。
学園側が不認可で腹を立て、「○○という議員に金を渡した」と暴露大会を始めたら金銭をもらってないことを証明するのは「悪魔の証明」になるので大変厳しくなります。
維新側もさぞ脇を固めた上での不認可決定であったのでしょうが、今の所暴露大会が始まる兆しもありません。
これはなぜか?
森友学園にはすでに2億円の借金があります。さらに小学校の建設にあたりかかる工事経費は15億にも上るとのことですが、森友学園はこの大部分を借金により賄う計画でした。
財務が悪化し、代表自らもyoutubeで倒産の可能性を示唆しているような組織をコントロールする(=暴露させないようにする)ことは実はそう難しくないのではと思います。
例えば、
「良い条件で救済資金を出してくれる人がいる」「ほとぼりが冷めてからまた学校をつくればいい」「ただイメージ刷新のため代表は娘に替えた方がいい」
とか。
いくらでも言いようはあります。
以上は想像ですが、なんでこんな想像をしてしまうかというと、そりゃあそれなりの理由があります。
もはや政治や行政から足を洗いビジネス一辺倒で糊口をすすぐ私の元にも固有名詞を含んだ様々な情報が日々寄せられるからです。
難しいことは言いません。
この問題、全てがよくわかりません。
マスコミの報道も本質を捉えてないように思うし、野党の追及もどこか論点のズレを感じます。
大阪において最強の維新に厳しい指摘をできる人は今や不在で、結果的に甘やかしてるようにも思えます。
大阪の与党は今は維新。問題となっているのが基準緩和や認可での便宜供与なのですから、与党が真っ先に疑われるのは当然かと思います。
もし一点でも不適切な便宜供与と思われる事実があるのなら、有権者に説明、謝罪してから仕事をしてほしいと思います。
これは維新叩きではなく、大阪の全政党に向けてのエールです。
くだらないことでモヤモヤさせないで、あらためるべきはあらためて大阪を前に進めてください!
プロフィール 水谷翔太
日本放送協会記者を経て橋下徹大阪市長が実施した公募試験に合格し、史上最年少(当時27歳)で天王寺区長に就任。行政区として史上初の子育てバウチャーを発行したり、softbankから協力を得て中高生向け即興型英語ディベートスクールを開講したりと先進的な施策を手がけた。平成28年3月に任期満了をもって退任後は株式会社FieldCommand’sTriumphを設立。企業のメディア露出、営業支援の他インド、ドバイとの貿易に取り組む。