3月17日、国会が考え方をまとめた。私自身は、皇室典範の本則の改正にこだわってきただけに、複雑な思いだ。「民進党内の強硬派」と時に揶揄されながら、主張を貫いてきた。
昨年末までは、政府の有識者会議が主役で、国会は下請け機関のような扱いだったが、今年に入って国権の最高機関としての役割を果たしたと思う。民進党の主張で議事録も公開された。国民の総意を形成するために不可欠なプロセスだった。
特例法のみで済まそうとした安倍政権に対して、『憲法違反の疑いが生じないよう、皇室典範の付則に特例法は皇室典範と一体だとする規定を設ける』ことについては若干の前進はあった。
私が最後までこだわったのは、『安定的な皇位継承を確保するため、退位の法整備のあと、女性皇族が結婚後も皇室にとどまる「女性宮家」の創設などを検討する』ことだった。与野党交渉の責任者となった野田幹事長には何度も念押しし、民進党の会議でも繰返し発言した。期限が確定していない問題は残るが、国会が早急に結論を出すべきとのコンセンサスはできた。
陛下のお言葉にどこまで添うことができたか定かではないが、水面下で宮内庁関係者とも連携するなかで、ぎりぎり折り合いをつけることになった。
陛下のご譲位はこの国の根幹に関わる極めて重要な問題だ。後世の批判に耐えうる法案が出てくるかどうか、国会審議を前に、もう一度、熟慮しなければならない。
編集部より:この記事は、衆議院議員の細野豪志氏(静岡5区、民進党)のオフィシャルブログ 2017年3月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は細野豪志オフィシャルブログをご覧ください。