NHKの20倍 !? 過去最大級の調査で都議選議席予測

選挙ドットコム

小池知事が地域政党「都民ファーストの会」で独自候補の擁立を発表してから、東京都議会議員選挙(都議選)への関心が、かつてないほどに高まっています。選挙ドットコムでは都民を対象とする過去最大規模の電話世論調査を行いました。

電話世論調査では、小池知事への支持や都議選における支持政党などを、RDD(乱数番号自動生成)方式を使い、42選挙区ごとに定数に合わせ300サンプル〜1,000サンプルを取得し、合計で約22,500件の有効回答を得ました。NHKが行っている「政治意識月例調査」では、全国を対象に毎回約1,000サンプルを取得していますが、都内を対象に2万サンプルを超える大規模な調査を行ったことは過去に例がないと考えています。

今回の都議選議席予想にあたっては、大規模調査の結果に、選挙ドットコムが保有する選挙データ(2005年以降の都議選における各候補の得票数・都知事選における各候補の得票数・参院選での各党の得票数・基礎自治体の会派別得票数など)や独自の取材活動で得られた情報を加味した上で予想を行いました。今回の調査・分析で得られた傾向・予想は以下の通りです。

なお、選挙区ごとの小池百合子知事の支持率・不支持率や、選挙区ごとの獲得議席は有料記事(500円)にて読むことができます。
※都知事の支持率や都議選における支持政党などを含む、選挙区ごとの分析を10万円(税抜き)にて行なっております。分析レポートをご要望の方はこちらよりお問い合わせください。

都民ファーストの会は単独過半数へ、自民党は激減で第三党の可能性も

都内を対象に22,500サンプルの電話世論調査をもとに、選挙ドットコムの保有する各種選挙データや独自の取材活動で得た情報を加味し、
・全選挙区に都民ファーストの会が候補者を擁立
・3月3日時点での公認候補予定者から予想を行う(公認候補予定者が不在の選挙区も多数有り)
という前提のもと、議席予想を行いました。

今回行なった大規模調査では小池知事への支持が都内全域で平均85.3%と高く、こうした背景から都民ファーストの会は議席を伸ばすことが予想されます。

定数が1名となっている7つの選挙区のうち、島しょ部を除いた6つの選挙区で都民ファーストの会の候補が優勢です。また、23区内の2人区では公明党と調整を行う荒川区を除き、全ての選挙区で都民ファーストが2議席を獲得する勢いがあります。
その他、3名〜8名が当選する複数人区でも、都民ファーストの候補者への投票意向が強くでており、複数人当選可能な情勢です。都議会全体の127議席中、都民ファーストは単独過半数を超える66議席を獲得すると予想されます。

自民党は30議席減か。その他の党も厳しい情勢

前回都議選では59議席を獲得し大勝した自民党は、小池知事との対立イメージが強く、大きく議席を減らすものと予想されます。公明党を下回る22議席にとどまり、都議会第三党へ転落する可能性出ています。

2月14日に、「都議会民進党」「民進党都議団」の2会派が合流し、「東京改革議員団」と名称を変更した民進党は存在感をアピールできず、現在の18議席から5議席へと大きく議席を減らす見込みです。3月9日には民進党から公認を受けていた現職の都議会議員が離党を決めるなど、今後も苦しい状況が続きそうです。

近年の都議選・衆院選・参院選で党勢を拡大してきた共産党は、今回の都議選でも一定の支持を得ていますが、複数人区での取りこぼしが予想され、現在の17議席から11議席へと議席を減らす見込みです。
また、日本維新の会や生活者ネットワークは、都民ファーストの会の登場により議席を全て失う苦しい選挙戦が予想されます。

選挙区ごとで異なる都民ファースト人気

今回の記事では、42選挙区全体の予想のみを掲載しましたが、都議選では1名しか当選しない選挙区から8名まで当選する選挙区、そして今回から定数が増える選挙区や減る選挙区があります。
さらには、民進党や共産党が強い多摩地域や独自の特色を見せる島しょ部など、都内でも様々な差が見られています。
今回の大規模調査・分析でも、

・都民ファーストの会への支持が他よりも10%低い選挙区
・自民党の支持が全党の中で最も高い選挙区
・民進党への期待が一定を維持している選挙区
・23区と市町村での支持の差

など、大きな違いが見られました。

なお、選挙区ごとの小池百合子知事の支持率・不支持率や、選挙区ごとの獲得議席は有料記事(500円)にて読むことができます。

今後のポイントは?

3月13日には、都民ファーストの会と公明党が、情報公開の徹底などの都政改革や東京オリンピック・パラリンピックの成功、少子化対策など10項目の政策合意を結び、公認候補の相互推薦など選挙協力を行うことを発表しました。こうした選挙協力によって、複数人区の当落は今後も変化すると予想されます。

また、自民党や民進党が公認候補を擁立できていない空白の選挙区もあり、目玉候補の擁立によっては情勢が変わることも予想されます。民進党や共産党は、昨年の夏に行なった「野党共闘」のような選挙協力を行うことで、議席減を食い止めることができるとの見方もあります。
夏の都議選まであと107日。小池知事の人気が今後も持続するのか、各党の候補者擁立や選挙協力がどうなるのかによって、都議選の結果はまだまだ大きく変化する余地を残しています。選挙ドットコムでは今後も都議選総力特集を行いますのでご期待ください。