籠池氏証人喚問。都議会の百条委より遥かに見応え

※産経ニュース・ツイッターより(編集部)


おう、真相解明に一歩近づいたな、というのが私の感想である。

あることないことで皆さんがそれぞれに妄想を膨らませるようなことにならなければいいが、と思っていたが、ほぼ落ち着くところに落ち着いた。籠池氏の証人喚問、やってよかったじゃないか、というところである。

証人喚問なんかやって自民党は失敗したな、と思っておられる方がおられるかも知れないが、国民の信用、信頼を大事にする国民政党として如何にも真相隠しに走っているような印象を持たれたら自民党は決定的な失敗をすることになる、と心配したが、今日の籠池氏の証人喚問でずいぶん闇に隠されていた部分が明らかになった。

総理夫人の安倍昭恵さんがずいぶん森友学園に肩入れしていたことは明らかだったが、だからと言って昭恵夫人が政府の役人に不当な圧力を掛けた事実がないことがいよいよ明らかになった。

あれこれ困りごとを持ち込まれそうな昭恵夫人だが、自分の出来ることは出来る範囲で一生懸命やってあげるが、自分が出来ないこと、してはならないことにはいささかも手を出していないということが分かる。

昭恵夫人はどんな人にも優しい人のようである。
天真爛漫過ぎてちょっと危ないな、と思わせるところがないではないが、まさに、いい人の典型である。親切過ぎてちょっとトラブルに巻き込まれてしまったが、別に違法なことをしたわけではないから大騒ぎすることはない。

籠池氏は如何にも補助金詐欺を企みそうな変なおじさん風だったが、今日の証人喚問で根は単純で、本当に小学校の開設に情熱を燃やしていた普通のおじさんがちょっと舞い上がって、ほんのちょっぴり悪いことに手を出してしまった程度のことだということが分かってきた。

神風が吹いたようだ、と籠池氏は述べていたようだが、まさにその通りだと思う。

右派系の政治家や有識者が森友学園が経営する塚本幼稚園の独特の教育に魅かれて自分の周りに集まり始めた、というのがそもそもの切っ掛けだろうと思う。幼稚園の園児が教育勅語の暗唱をする姿は、伝統保守を標榜する方々にはそれなりの感動を与えるものである。

伝統保守政治家のご本尊のような平沼氏が森友学園の教育を推奨すれば、平沼氏を敬愛する多くの政治家がそれに靡くのは自然のことである。

昭恵夫人が何度も講演に来訪し、ついには開設する小学校の名誉校長まで引き受けてくれるというこちになれば、森友学園は自然に破格の扱いを受ける存在になってしまう。

籠池氏が、自分の与り知らないところで大きな歯車が動き出した、神風が吹いた、と思うのは当然だろう。特定の政治家の不当な政治力や圧力で何か不正なことが行われた、という事案ではないことがほぼ明らかになったと思う。

へー、こんなことがあるんだ、と思うような意想外の出来事が次々と起きたようだが、すべてそれなりの理屈が付き、またそれなりに必然のことだったのだろう、ということが概ね分かってきた。

参議院の予算員会も衆議院の予算委員会もしっかり自分たちの役目を果たしていた。
引き続いて参議院の予算員会では参考人の質疑を行うことを決めたようだが、これもいい。

中途半端なところで幕引きをしようなどということを誰一人として考えていないようなところがいい。
都議会の百条委員会よりは遥かに見応えがあったはずである。

誰も損はしていませんよ。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年3月23日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は産経ニュース・ツイッターより引用)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。