知人が昨年、ベトナムへ旅行に行ってきました。
宿泊したのはダナンというビーチリゾートで、ホテルもビーチも現地の方の人柄も、どれもすべて良かったと満足げに話していました。
なにより、そのツアー代金が安くて、大満足の旅になったそうです。
御察しのとおり、そのツアー会社こそ破産手続きを開始した「てるみくらぶ」でした。
2016年の海外旅行者数は1711万人(法務省・報道発表資料)で、過去最高だった2012年の1849万人(同資料)からは減少しているものの、前年比で90万人以上増加しています。
私も先日、成田空港を利用しましたが、時期的に卒業旅行で海外に行く若い人達も多く、「気軽な海外旅行」が定着したんだなあと改めて感じました。
この、気軽な海外旅行に多大な影響を与えたのは「格安海外ツアー」であることはいうまでもありません。
海外ツアーの価格を比較した某サイトを見ると、
香港3日間3万円以下、
グアム4日間3万円以下、
ソウル3日間はなんと2万円以下です!
ん~、これって正常な企業努力を重ねた成果なんでしょうか?
利用者(消費者)にとって気軽に安く海外に行けるのは魅力ですし、航空券とホテルの予約、さらには空港からホテルへの送迎までセットになっているパッケージツアーは、なにより「安全、安心」を求める日本人のニーズにピッタリ合っています。
では、もう一度、上記の旅行代金を見てください。
率直な疑問です、旅行会社は「どこで利益が出るんだろう」
ツアーに組み込まれた土産店の買い物代金からのフィーや、直前キャンセルを狙った航空券、年間通期で押さえたホテルの部屋、などツアー代金を抑えるために旅行会社の様々な創意工夫があるのだと思います。
しかし、行き過ぎた価格競争は、いつの間にか「あり得ない相場」を作り出します。
「てるみくらぶ」の破綻は、行き過ぎた価格競争だけが要因では無いかもしれません。
ただ、旅行代金の「あり得ない相場」がその一因になっていることも否めません。
本当に気軽な海外旅行を楽しむために、まずは目的地までの航空券代金とホテル代金の「相場」を調べてみては?
高幡 和也 会社員
※アイキャッチ画像は「てるみくらぶ」の旧サイト画像より(編集部)