welqを発端としたキュレーションメディアはネット上で大きな騒動になり、DeNAの利益を一気に十数億円吹っ飛ばすなど、かなり荒れに荒れたように思います。そろそろ落ち着いてきたかなと思っていましたが、まだまだ総括もできていないようで、様々な場所で今も言及されています。
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デイリーポータルZの林雄司さんと、ヨッピーさんに聞いた「コンテンツを作る・伝える・稼ぐコツは何ですか?」
デメリット・悪の面が集中しているキュレーションメディア批評ですが、あえてアフィリエイト用の文章を書いていたこともある私の立場からキュレーションメディアのメリットについても書いておこうと思います。それがライターへの報酬です。この部分は確実にメリットがありました。
家を出られない主婦や隠れた副業、学生のアルバイト…
もうちょっと細かく言えば、キュレーションメディアはライティングという職業を色々な人に広めることができたということです。例えば主婦、サラリーマンの副業、学生のアルバイトなど…様々な人にライティングという職と報酬を与えることができました。
上記で紹介している記事ではヨッピーさんが「時給換算で報酬も安いし取材にいろいろな場所に行けるわけでもない。楽しくないのになんでやってるの?」というようなコメントがあります。しかしこのコメントは若干外れていて、もちろん本格的なライターを目指している人もいたとは思いますが、そういう方はマイノリティだったと思われます。
どちらかと言うと子育てや家の事情でどうしても外に出ることができないという主婦の方が、空いた時間を有効活用する形でライティングをする、副業としてサラリーマンが土日や夜の時間に書く、また学生がアルバイトとして書く等…なかなか外にアルバイトに出られない人が内職として行っていた面があります。
特にこれらのキュレーションメディアのライティングは未経験でも可能だった、という点も多くの素人ライターが参入することができたメリットだと言えます。なかなか働く事ができない人たちが、月に1~2万円でも稼いで家計の足しにできたという点では、社会的なメリットがあったと思われます。
今でも素人ライティングは貴重な収入の源泉
というようにバイトやパート、正社員として働く事ができない人にとってライティング業務は非常にありがたいものであったことは確かです。さらに言えば今でもこういった素人ライターが書くライティングの仕事はたくさんあります。例えばこれを書いている現在、ランサーズでは1000件以上、クラウドワークスでは4000件の未経験でも可能なライティング業務募集の掲載がなされています。
かくいう私もwelqではないですが、とあるサイトのライティングを長年やっていました。何も持たずに独立し、何をしていいのかわからなかったとき、私が唯一できたのがライティングでした。ウォーターサーバーについても書きましたし、クレジットカード・キャッシングについても書きました。それでギリギリ食っていくだけの報酬を得ることができました。
これと言ったスキルのない人、そしてアルバイトやパートなど外に出られない人にとって見ればライティングは貴重な収入を確保する手段です。逆に言えばキュレーションメディアはこれらの作業で報酬を得ていた人たちを簡単にクビにし、使い捨てにしたという点でも大変罪深いとも言えます。
検索をするユーザー目線でも問題があり、かつライティングを貴重な収入の源泉にしていた人を使い捨てにしてきたという点からも、キュレーションメディアは責任があると言えます。
良い面を残して再スタートを
事情によってバイトやパートなど、働きに行けない人の貴重な収入源だったという点、そしてMERYのように若い女性が情報源として人気のあったサイトもありました。決してキュレーションメディアというのは100%すべての部分で悪だったわけではありません。光の部分、社会にとってのメリットになる部分もありました。
コピペ・パクリ問題や命に関わるセンシティブな情報を軽く取り扱ったこと、またユーザーの約に立つことよりもSEOで上位表示してアクセスを増やすことばかりに力を入れたこと…反省すべき点・責任を取らないといけない点はたくさんあります。
ぜひこれから出現するキュレーションメディアについては、反省すべき点を克服し、ユーザーのためにもライターのためにもなる、良いメディアを公表して欲しい、そう思います。