NHKの報道番組を見ていたら、フランスの大統領選挙で、ルペンをマクロンが追っているという。たしかに、第一回投票ではルペンとマクロンとが接戦を繰り広げ、最初に有利だったルペンをマクロンが追っている格好だが、フランスの大統領選挙は第一回投票の上位二人が決選投票を行う形になっている。
その場合は、どの調査でもかなり前からマクロン60%に対してルペン40%くらいだ。これをルペン先行、マクロン追うと表現することは虚構新聞なみだ。
ただ、マクロンが万全かと言えば、そうでもない。問題は第一回投票だ。候補者は11人だが、10を超えそうなのは、右からルペン、フィヨン元首相、マクロン元経済相、アモン元教育相、メランションだ。ルペンは極右、フィヨンは保守派、マクロンは左右の壁を破る、アモンとメランションは左派だが、アモンは日本で言えば民進党左派と社民党、メランションは新社会党に共産党が乗ったといったところか。
現在の支持率は、下記にふたつの世論調査を掲げて置いたが、第一回は一位をルペンとマクロンが競い、アモンがマクロンとメランションから侵食されて脱落してしまい、フィヨンにメランションが迫っているといったところ。
第二回となると、マクロンとルペンならよほどのことがないかぎりはマクロンだが、マクロンとフィヨンならマクロン優位であるものも不透明、メランションとルペンとかなったら、悪魔の選択だ。
マクロンは、第一回では左翼寄りに振る舞って左派票を取り込み、第二回では右寄りの支持者に安心感を与えるのが正しいのだが、そううまくいくかである。
それからマクロンが組織をもたないし、そもそも、いかなる選挙に立候補したことがないというのは不安。それから、演説は上手だが、きれい事や美辞麗句が並びすぎて、大衆受けしない。NHKでは古典など引用して演説がうまいと紹介していたが、馬鹿げた分析だ。