フランスの柔道指導者と交流して考えた「部活の在り方」

井上 貴至

GATAGより(編集部)

今や世界一の柔道大国「フランス」から、愛媛県に指導者たちが来訪され、ゆっくり懇親しました。

フランス
「日本の子供たちは、体捌き(背負い投げ)が得意ですね。」

日本
「日本の指導者の多くは、背負い投げから教えます。」

フランス
「フランスの子供たちは、背負い投げを怖いと感じます。ボクシング、レスリング、フェンシング・・・さまざま格闘技の中で、後ろを向くのは背負いだけです。」

日仏の違いが、鮮明となり面白かったです。

日仏の違いと言えば、フランスでは、柔道などの指導者は国家資格。少なくとも半年以上の研修を受けなければなりません。

また、フランスでは、学校の部活はほとんどなく、地域のクラブスポーツが中心。数百人の生徒を教える人気の指導者は、年収1,000万円を超えることも珍しくないとのこと。

日本では、指導経験や選手経験の乏しい先生が(たまたま)部活の顧問として教えざるを得なくなり、事故が起きたり、生徒の能力や意欲を開花しきれなかったりすることが少なくありません。

また、練習試合などで先生が土日休日をずっと返上しなければならないことも、社会問題になっています。

フランスの方と交流しながらつくづく思ったのは、部活だけがスポーツの場ではないということ。むしろ、過度な部活偏重は、民間のビジネスチャンスを奪っているのかもしれません。

また、日本では、部活が終わると、とたんに体を動かさなくなる人が多いのも問題。個人でもできるフィットネスやマラソンなど以外ではスポーツできる場所や機会が少ないのでしょう。生涯現役社会を迎え、その意味からも、部活の在り方を見直す時期が来ているのかもしれません。

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<井上貴至のプロフィール>
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杯型社会に、求められること
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編集部より:この記事は、愛媛県市町振興課長(総務省から出向)、井上貴至氏のブログ 2017年4月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『「長島大陸」地方創生物語~井上貴至の地域づくりは楽しい~』をご覧ください。