子どもが書いた「子どもの日の社説」

GATAGより(編集部)

工夫が足りない大人が書く社説

5月5日の子どもの日に、各紙が社説を書きました。新聞離れが進み、若い世代ほど新聞を読まない新聞危機の時代です。私はかねてから、子どもの日くらいは、子どもでも読めるようやさしく、子ども向けに社説を書いてみたらと、思ってきました。どこの新聞社も普段と同じような社説の書き方です。知恵が足りない。そこで、子どもが社説を書いてみると・・・

おじさん、おばさんの記者が書くしゃせつは、おもしろくないのです。1年に1度は、ぼくらやわたしたちでも読めるしゃせつをなぜ、書いてみようとしないのですか。子どもが書いたしゃせつの全国コンクールをやってみたらいいのに。私たちにもいいたいことがたくさん、あります。

学校では、ウソをついてはいけない、正直でなければならないと、教わります。おとなになっても、そうしなければならないはずだと思います。森友がくえんで毎朝、読み上げさせていた文にも、よい市民になるように、と書かれています。それがおとなになると、せいじ家も、お役所のひとも、ウソばかりつくようになります。

えらい人ほどウソをつく

思っていることを正直にしゃべってしまい、やめさせられるせいじ家がいます。学校のころから、ウソをつくれんしゅうをしておいたほうがいいと、思います。しゃちょうさんになって、いけないことをしてしまったのに、なかなか謝りません。えらい人ほど、ウソをつきます。わたしたちもえらくなりたいので、そういう練習をさせて下さい。

子どもの日に、しょうらいの人口が発表されました。ろうじんが全体の3分の1です。この人たちを支えていくのは、たいへんなことです。50年後には、おじいさんは85歳、おばあさんは91歳まで生きるそうです。ひつようなおカネはどうするのでしょうか。私たちが払うぜいきんで、こうれい化社会をささえていくことになるのですね。

国は、こくさいとかいう借金をもう、1000兆円も出しています。しかも毎年、どんどん増えています。へんさいするのは、私たちがおとなになる時です。いまのおとなが、ものすごい借金をしてしまい、かえすのは、おまえたちの世代だよ、というのと同じです。もっともっと、ぜいきんは重くなるはずです。せいじ家は、はんせいしてください。

国の借金を返すのは子ども

私たちの家では、じゅうたくローンを借りています。お父さん、お母さんは、けん命に働いて、返しています。国の借金はだれが返すのでしょうか。私たちが働くようになって、払うぜいきんで返すのでしょう。じゅうたくローンを借りて家をたて、親子で住んでおいて、返さいはお前たちだよ。そういうことを国がやっていくのですね。

おとなは子どものことを、もっと考えてください。千葉県でベトナム人の女児がおとなに殺されました。学校のほご者会のかいちょうが犯人でした。この人にも、2人の子どもがいます。お母さんがいない家だったらしいのです。けいさつに、つかまったら自分の子どもに、どんなにつらい運命が待っているか。そう考えれば、人を殺せなかったでしょう。

学校もおかしいと、思います。こんな人をどうして、ほご者会のかいちょうにしたのでしょうか。その学校の校長先生たちはちゃんと、責任をかんじて、せつめいし、頭を下げてあやまったのでしょうか。おとなはずるいです。

お父さんに新聞のしゃせつを読んでもらいました。「多様な場で主体的、能動的に行動する力を育むことが大切だ」と書いてありました。子どもの私たちには、意味が分かりません。来年は、もっと子どもの立場にたって、しゃせつを書いてください。おとなになったら、新聞を読むようになるかもしれないわたしたちからのお願いです。


編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2017年5月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。