一橋大学が学園祭に百田尚樹氏を呼ぶのは「人気があるから」なんですって

常見 陽平

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一橋大学の学園祭の一つ、KODAIRA祭(6月に開催、1、2年生を中心としたもの)にて、百田尚樹氏の講演会が企画されている件について、様々な方面で炎上しているのだが・・・。同大学の学生新聞、『THE IKKYO SHINBUN』が、講演会について疑問の声をあげた経済学研究科川口康平講師と、学園祭の実行委員の声を紹介している。

KODAIRA祭 百田尚樹講演問題
http://hit-press.org/projects/1098

詳しくはリンク先を読んでもらいたいのだが・・・。
学園祭実行委員は、彼の講演会を企画する理由として。

集客を見込めるということが最大の理由です。

今回の講演では、百田氏の政治的な思想、信条については触れず、「現代社会におけるマスコミのありかた」というテーマに絞った講演であれば問題はないと判断しました。正直ここまで大きな反響が起きるとは予想していませんでしたが、百田氏という人選、企画趣旨の設定は適切だと考えています。

とコメントしている。要するに、人気があるからだ、と。マスコミのあり方を話して頂くのだから、彼がレイシスト的言動をしても関係ない、と。

なお、想像以上の反響に驚いているとのことで、大学からは混乱のないようにということを言われているという。

大学側からは、「本講演においては混乱が生じる可能性があるため、会場周辺の警備を強化してほしい」との要望があり、外部に一部業務を委託しようと考えています。また講演内容については台本が用意されておりますが、問題のある発言があったと委員が判断した際には、その場で何かしらの措置を取って対応したいと考えています。

もっと深い意図があるかと思ったのだが、あぁ、お子ちゃまだなあ。いや、大学1、2年生による学園祭だし、運営委員もそれくらいだからしょうがないだろうという意見もあるだろうが。なんというか、アルバイト先で冷蔵庫に入ってSNSにあげるレベルの話をしていて、心底呆れている。

台本が用意されていると公言するのもいかがなものか。質問も事前受付制になっているとのことだが、これなら講演会の意味がない。その場で質問をさせる、意見に向き合うのが講演会の意味ではないか。混乱を招くということの配慮なのだろうが、当日、その場でメモを書かせて司会に渡すなどのやり方だってあるはずだ。

それに対して、「カッコ悪さを非難する」と断じている経済学研究科川口康平講師の意見は、いちいち的確だ(詳しくはリンク先を読んで欲しい)。彼が言うとおり、そして大学当局も懸念しているとおり、呼んだからにはちゃんとアテンドしないといけないし、混乱、事故などがないようにしなければならない。

というか、学生とはいえ、もっとまともな筋の通った説明を期待したかった。いや、訂正しよう。集客が見込めて、話題になればなんでもいいという意味では筋が通っているのだろう。

明日、一橋大学ではホームカミングデーが開かれる。学園祭実行委員会の部屋に飛び込むOB・OGもいたりして。

最後に、この件、当事者に話を聞かなければフェアではないと思い、学園祭実行委員会に2度、取材依頼のメールを送った。しかし、無視されてしまったということを暴露(チェッカーズの構成員が読み間違えたとように、ぼうろと読むこと)しておこう。


最新作、夜露死苦ね。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年5月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。