「親と就活」就活生の保護者向けセミナーの意義

この写真が大変好評で。NY在住のアーティストからも絶賛されたのだが・・・。

角度によっては、こんな感じで。妻からは「新日本プロレスの天山広吉みたいだ」と言われ。「それってバカにしているのか、あー、おら、えー」と天山風に叫んでモンゴリアンチョップなんかするDV夫ではないので、安心して頂きたい。ただ、天山を、プロレスをバカにするなとは言ってやった。

本題だ。5月26日に日経さん主催の保護者向け就活セミナーに登壇することになった。一橋大学特任教授であり、三菱商事社外取締役の西山昭彦先生と一緒に。

詳細はこちらだ。大学生のお子さんがいらっしゃる方は見に行きて頂きたい。

ここで、就活生の保護者向けセミナーの意義について考えたい。

実は、私への講演依頼で最も多いのは、主に地方の中堅・中小企業向けの採用力アップ講座で、これが圧倒的な割合で、その次が就活支援系なのだが。ここ数年、増えているのは就活生の保護者向けセミナーの依頼だ。自治体などからの依頼が増えている。

私に初めて就活生の保護者向けセミナーの依頼があったのは、たしか2010年くらいだったと思う。地方大学からだった。ちょうどその頃、まさに新聞社主催の保護者向けセミナーを見学する機会があった。

当初は、私自身も「保護者にセミナーて」と思ったものだ。そして、見学した保護者向けセミナーも、質疑応答コーナーがなかなかの修羅場で。「ウチの息子、選考解禁1週間で第一志望にも、第二志望にも落ちて、もう第三志望以下しか残ってないんですぅ!」みたいな感じで、泣きそうな声で相談する様子をみて、「第三志望に残っているなら、いいじゃん」と思いつつ、傍観していたのを覚えている。

もっとも、その頃から保護者向けセミナーをするようになり。保護者とも接して感じたのは、これは必要な企画だということである。今の学生と、保護者とは生きている時代も価値観も違う。大学進学率も違えば、就活の時期や仕組み(ネットの利用など)も違う。産業構造だって違う。ブラック企業も相変わらず問題になっている。これらのことを知らずに、知識がないのに、想う意識だけが高いと、就活する子供は迷惑してしまうのである。「親ばか」は結構だが、「バカ親」は迷惑なのだ。

そして、くれぐれも言いたいのが、ちょうどお子さんを授かった頃に流行ったドラマ、「家なき子」の名セリフ「同情するなら金をくれ」である。具体的に必要な支援は、カネだ。就活中にはアルバイトにも入りにくくなるのだ。都心への移動、待ち時間のカフェなど何かとお金がかかるのだ。

もっとも、親が就活してはいけない。あくまで応援団でなくてはならないのだ。

というわけで、そんな知識は身につけるべきなのだ。だから、保護者向けセミナーは有意義だと思うのだ。もちろん首をかしげる人もいるかと思うのだけど。

どんなものだろうと知りたくなった人は、ぜひ覗きに来て欲しい。

常見陽平
朝日新聞出版
2012-01-13



そういえば、以前、こんな本を書いた。重版はかからなかったが、長く読まれているらしい。



最新作も、日本の労働社会を知るために最適なので、ぜひ。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年5月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。