5月17日にシステムをリニューアルしたhuluが不具合多発により、炎上しております。ヤフーニューストップにまで出てきたくらい大事になっています。かくいう私も5年huluを使っていたのですが、このリニューアルを機に解約することにしました(参照:hulu日本法人はなぜシステム改悪をしたのか?~hulu解約してNetflixにしました)。
さて、そもそもの話ですが、なぜhuluはシステムリニューアルをしなければならなかったのでしょうか。そこにはユーザーよりも自社の都合を優先している、そんな姿勢が見え隠れします。
アメリカ本社への費用負担をケチった?
まず大前提として押さえて置かなければならないこととして、一つはhuluのシステムそのものに大きな不満をユーザーは抱いていなかったということです。その証拠に日本テレビが買収をしてから、90万人以上の会員を増やすことに成功しています(参照)。システムそのものに不満があれば、ここまで大きく会員増は望めなかったでしょう。
そしてもう一つがhulu日本法人は赤字続きだったということです。huluは2014年から日本テレビが買収しているのですが、最新のデータでは2017年3月末
- 売上高163億3,770万円
- 営業損失18億9,400万円
- 純損失は17億8,900万円
となっていました。
不満のないシステムをあえてリニューアルするというのはどういう理由でしょうか?私の勝手な推測では、hulu日本法人はアメリカ本社への使用料や契約料のコストをケチったのではないか?と思われます。どの程度のシステム利用料を支払っているのかはわかりませんが、かなりの金額なのでしょう。
今回のhuluリニューアルを担当したのはフォアキャスト・コミュニケーションズという会社だそうです。この会社、日本テレビ放送網株式会社の100%出資子会社となっています。アメリカ本社のhuluシステムやドメインを使うために利用料を払っていては、自社に利益がたまらなかったのでしょう。だから同じ日本テレビグループ内の開発会社で独自システムを開発して、利益を内部留保しようと考えたのではないか?と推測できます。
日本オリジナルのhuluにしたいという思い
もう一つのリニューアルの理由として、下記の社長のインタビューが参考になります。
なにかをやろうと思っても、アメリカのシステム改修プログラムに入れてもらわないといけない。「このまま会員数が増えていき、独自のことをやろうと思っても、思ったことができないな」と考え、この先は独自のプラットフォームを持つべきだ……という結論に至りました。
hulu日本法人は日本独自のコンテンツなどを提供していきたい、と考えていたのでしょう。だからいちいちアメリカにお伺いを立てなくてもいいように、自社のシステムで自由に配信しようと考えたと思われます。この気持ち自体は理解できます。しかし日本版huluの独自コンテンツを提供したいからといって、現在のユーザーにマイナスになるようなシステムリニューアルはマイナスでしかありません。
個人的には日本オリジナルのドラマやバラエティを放送するとして、それはニーズがあるのか疑問です。私は海外ドラマを見るためにhuluに入っていましたので、特にそう思うのかもしれませんが。独自のドラマやバラエティならすでに日本テレビの地上波もあればBSもあるんですから、huluでやらなくてもいいように思います。
hulu解約の連鎖は止まるのか?
今回のリニューアルで多くの混乱・炎上を起こしたことから、ユーザーが求めていたものは安定した視聴環境であるということがわかったのではないかと思います。どんなに良いコンテンツがあったとしても、視聴環境が劣悪であれば、コンテンツを楽しむ事はできません
急に視聴できない機器が出てきた、カクカクする、画質が悪すぎる、すぐローディングするなどの視聴環境が今回のリニューアルで発生しましたが、もしここで1~2ヶ月だけでも、アメリカ本社の旧システムを延長して使わせてもらう契約をしていれば、こんなにも炎上することはなかったでしょう。ここにも、赤字圧縮のためにコストを削りたいのかな?という意識が見え隠れしてしまいます。
このようなユーザーを置いてけぼりにするような姿勢は私は支持できません。すでにTwitterを始め、ネット上では多くの人がhuluを解約した・解約する予定と言っています。この解約ラッシュは止まるのでしょうか。解約を止めるためにもいち早いユーザーのためのシステム改修が待たれます。