えー、何をそんなに懼れるの?
どうも会期延長はしないようだ、という噂が流れてきた。
国会を開いておくと碌なことがない、という説が日々有力になっているようだ。
何に脅えているのかはもはや周知のことだろうが、脅え方が尋常ではない。
逃げると追われますよ、というのは、永田町でも通じる話である。
一旦後ろを見せた人は、弱い。
最強のはずの官邸が案外弱そうだ、ということに気が付いている人が多くなっていそうだ。
何が拙いと言って、正々堂々と真正面から反論すればよかったのに、文部科学省の職員の間で出回っていたメモを怪文書扱いしたり、前川さんの人格攻撃で批判を封じ込めようとしたのが如何にも拙い。
過剰反応したのが、どうにもいけない。
こんなことで、日本の刑事司法の世界を大きく変えるかも知れない共謀罪関連法案についての審議が中途半端で打ち切られて強行採決になったのでは、安倍内閣は国会での大事な審議をなおざりにしてしまうつもりか、という批判を免れないことになってしまう。
こういう時こそ、腰を落としてじっくり構えることである。
熟議の府である参議院の権威を貶めるような無茶なことはしない方がいい。
森友学園も加計学園も神風が吹き過ぎて、おかしくなってしまったようだ
加計学園についてはどうなるかまだ分からないが、森友学園については、神風が吹き過ぎて反っておかしなことになってしまったのは、皆さん、ご承知のとおりである。
神風が吹かなかったら、これほど無理をしないで済んだかも知れないのに、神風が吹いて、皆さん、おかしなことになりましたね、というのが、私の率直な感想である。
当たり前のルールを貫徹さえしていれば、森友学園は安倍晋三記念小学校なり瑞穂の国小學院の建設工事に取り掛からなかったはずである。
忖度があったのかどうか、忖度を促すような何らかの働き掛けがあったのかどうか、などについて相変わらず真相がベールに覆われているような感じだが、通常のルールに基づいて手続きを進めてさえいれば今日の混乱はなかっただろうと思われてならない。
安倍一強政治、自民党一強政治の弊害がこんなところに現れてきているようである。
加計学園の問題もどうも同じような匂いがする。
急ぎ過ぎ、強引過ぎの感が否めない。
まあ、岩盤規制に穴を開けるという意味合いぐらいはあったのだろうが、政治主導なり官邸主導の弊害が現れてしまったようだ。
来年4月に開学(まあ、加計学園の場合は、正しくは開講でしょうね。)する、というスケジュールにそもそも無理があったようである。
無理が通れば道理が引っ込む、という諺がピッタリ当て嵌まるような展開になってきている。
教員の確保が出来るのだろうか、採算は取れるのだろうか、などという話が依然として燻っているようだ、などという話を聞けば、ほれ、慌てる乞食は貰いが少ない、急がば回れじゃないか、と言いたくもなる。
どう収拾したらいいのか分からないが、かなり面倒な問題になっているのは間違いないようだ。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年6月4日の「政局」関連の記事をまとめて転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。