公明党の共産党「口撃」ツイートが、ど直球過ぎて面白い

新田 哲史

選挙ドットコムの投稿とはいえ、アゴラで珍しく公明党さんのご登場かと思っていた矢先、Facebookを見ていたら、元SEALDs関係者が、公明党広報ツイッターの共産党disりをシェアしていて、それが強烈すぎて笑ってしまった。あとで消されてもいいようにスクショはしておいたが、とりあえず元のツイートを引用する。

以前の私なら「そ、そうですね(汗)」と茶化して終わるところだが、むしろ興味深いのは都議選直前のこの時期に炎上必至のツイートを敢えてぶっこんできた思惑だ。

公明党(≒創価学会)と共産党は、政治マーケットの中で社会的弱者セグメントのど競合であり、不倶戴天の敵というのは周知の通り。ただ、都議選の直前で戦意を高めたいとはいえ、党本部広報アカウントでネガティブキャンペーンを公然と展開しなければならないほど、追い上げられているのだろうか。

加計学園問題という変数が加わって、都議選の情勢は、都民ファーストにやや好材料が増えつつある印象なのだが、内閣支持率の大幅下落が表面化する前の予測として、紹介しておくと、アゴラ関係者では、渡瀬裕哉氏が今週号のFLASHで予想した都議選獲得議席で、公明が23(現有議席プラス1)、共産は12(同マイナス5)。高橋亮平氏の予測は、公明が23(現有議席プラス1)、共産は9.6(同マイナス7.4)と、それぞれ「公明堅調、共産苦戦」と占っている。

一方、JX通信社の1〜5月末時点の支持率推移では、共産党が6%から8%台にやや伸ばしているものの、NHKの政治意識月例調査(ただし全国対象)では、共産党は2月に4.4%まで伸ばした後、5、6月はともに2.7%と低調。

全体的な情勢では、公明党が共産党に露骨なネガティブキャンペーンに振り切るほどの脅威になっているのか、やや早計にも見えるが、個別の選挙区で見ていくと、「北区選挙区」の事情もそこそこ背景にあるのだろうか。

今回の選挙戦は、おときた君(都民ファースト)と高木けい氏(自民)の「幹事長対決」で注目される選挙区ではあるが、もともとは、公明党は太田昭宏・前代表、共産党は池内さおり氏(衆院比例復活)と、お互いに国会議員を輩出している「地盤」だ。

過去の選挙結果、小池都政以後の支持率等を勘案すると、日の出の勢いのおときた氏と、守勢ながら手堅い組織票を持つ高木氏のほか、ともに現職の大松成氏(公明)、曽根肇氏(共産)の4人で実質上争う展開。

しかも北区は今回から定数が3に減ってしまった。前回の2013年都議選は、3000票差で大松氏が曽根氏を上回ったとはいえ、互いに「金城湯池」を自認してきた公明党としてはここで、共産党をなんとしても振り落し、“トドメ”を刺したいところであろう。

そんなことも思い浮かべながら、早くも硝煙のにおいを感じるような、ネガティブキャンペーンでした。しかし、これ共産党は激オコだろうな。どんなやり返しをするのか、それはそれで楽しみなところです。


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