紙の新聞も読み続ける「3つの理由」

内藤 忍

朝起きて毎日やっている日課の1つが、配達された日本経済新聞を読むことです。

出先で電子版も読むことがありますが、自宅で朝読むのは紙の方です。1面から順番に読んだり、文化面から逆方向に読んだり、その日の気分によって変えています。

電子版ではなく、敢えて紙の新聞を読む理由は3つあります。

1つは一覧性です。電子版で見出しだけを追っていくと、どうしても記事を見落とすことがあります。紙面を大きく広げて全体を見ながら読んでいくことで、スマホやPCの限られた画面では見えなかった情報を見つかったことは意外に多いのです。

2つ目は新聞の下に掲載されている広告です。月曜日になるとビジネス週刊誌、木曜日になると一般週刊誌、そして週末になるとビジネス書の広告が定期的に掲載されています。どんな書籍が売れているか、また世の中で多くの人が興味を持っているテーマは何かが、この広告からわかるのです。

また、資産運用セミナーの告知頻度も人気のバロメーターになります。不動産会社や金融機関のセミナーが増えると集客が好調であることがわかります。ただし、日経新聞や関連会社主催のセミナー告知が頻繁に掲載されているのは、人気があるのではなく、集客できていない場合が多いことに注意が必要です。

そして3つ目は、折込チラシです。同じ広告でもこちらは近隣のスーパーやレストランなどの宣伝、地元の不動産物件の紹介などがほとんどです。都心部の中古タワーマンションの価格や数億円規模の投資用物件の情報が大手不動産会社のチラシで定期的に入ってきます。毎回眺めていると、物件価格の全体的な傾向が見えてくるのです。

このように考えてみると、日本経済新聞の広告にはとても価値があることがわかります。切れ味鋭い取材記事も見かけることがありますが、新聞の上の方を見るよりも、下段や一緒に入っているチラシの方が、世の中の動きをリアルに伝えてくれているように思えます。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年7月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。